3月下旬、苫小牧市民活動センターで開かれた、市内春日町在住の秋葉洋一さんと恵子さん夫妻の写真展を取材した。ユーモアあふれる構図に笑わされながら、心癒やされる温かな時間を過ごさせてもらった。
2人の写真のモチーフは独特だ。ひび割れた道路に落ちた1枚の枯れ葉。誰かの家の外壁とそこに映る何かの影。洗面所に干してあるゴム手袋―。
誰もが一度は目にしたことがあるだろうものばかり。恵子さんの言葉を借りると「そこら辺の写真」だ。だが、「そこら辺」も2人に掛かると、たちまち美しく掛け替えのない風景に変わる。ひび割れと枯れ葉は命の芽吹きにも見え、壁に映った影は顔のよう。ゴム手袋は祈りをささげる人の手に変わった。
「世界に、こんなにも美しく幸せな光景があふれているとは」と深く感動し、繰り返される毎日に少しうんざりしていた自分を反省。夫妻をまね、「楽しい」のフィルターで世界を見詰めてみようと思った。(百)









