苫小牧海上保安署の蓮見由絵署長(51)が同署を離れ、15日付で第1管区海上保安本部(1管、小樽市)の交通部長に就任する。2022年4月に1管初の女性署長として苫小牧に赴任以来、道内最大の苫小牧港を抱える海域の安全確保に尽力する一方、女性の働き方について講演依頼を受け、自身の経験を語る機会も多かったと回顧。「苫小牧での経験は今後に大きく役立つ」と述べた。
離任間近の12日、苫小牧民報の取材に応じた蓮見署長。交通畑が長かったこともあり、事故防止に細心の注意を払ったこの2年間について「大きな海難の発生がなかったのがまずはよかった」と胸をなで下ろす。
昨年は陸上を管轄する苫小牧署と合同パトロールに当たった際にサケの密漁者のグループを摘発し、漁業秩序確立功労者として道知事感謝状を受けた。「事件のことが報道され、密漁が減ったとも聞いた。密漁の摘発は今後も重点課題として取り組む」と話す。
「女性の活躍」など働き方をテーマに消防、教育委員会などから寄せられた講演依頼はすべて引き受けた。「女性が聞けば、自分のことについて考えるきっかけに、男性が聞いても部下や同僚への対応、組織運営の参考になる」との思いで臨んだが「自分自身の考えを整理する機会にもなった」と振り返る。
「管理職の一番の仕事は部下が働きやすい環境にするためのマネジメント」と、働き方の見直しにも力を入れた。「各担当者で仕事の優先順位を付けるのは難しく、上司がスピード感や求める業務の質について指示することが大事」と強調。署長として毎日、職員が帰る時間の連絡も受けるようにしてきた。
15日からは1管の交通部長として、北海道全体をエリアに海難の事故防止、航行安全の確保などに携わる。脱炭素社会実現に向けた港湾環境や周辺海域の変化が加速する中、「苫小牧で先進的な動きを間近で見られた経験は今後に役立つ」と語る。
プライベートな時間は車を使わず、自転車や公共交通機関で街中を巡る機会が多かったが「港で働く人がこれだけ多く毎日、船が出入りし、岸壁も船で埋まっているのに海の気配をあまり感じられないのが惜しい」と指摘。港町として、市民にもっと港が身近になることを願う。
自身の今後については「固定観念に縛られないことを大切にしたい。自分で自分を邪魔したり、社会がおのおのを邪魔したりするのも固定観念から。50代の女性管理職として後進にキャリアパスの一例を示していけたら」と力を込めた。
















