苫小牧市入船町の倉庫・港湾運送業、苫小牧埠頭(海津尚夫社長)など3社は、薄くて軽く折り曲げることができる次世代型太陽電池「ペロブスカイト太陽電池」の道内初の実証実験を市内で展開している。同社が晴海町に所有する倉庫の屋根や壁面に設置し、4月1日から来年3月末まで1年かけて、耐久性や発電効率などを検証する。
設備製造大手の日揮(横浜市)が中心となり、京都大発スタートアップ企業エネコートテクノロジーズ(京都府)が同太陽電池を開発・提供し、苫小牧埠頭が実証装置を管理する。苫小牧は道内で比較的雪が少なく、港湾地域は塩害も発生するため、耐久性や発電量を調べる適地として実験場所に選んだ。
太陽電池のパネル1枚のサイズは縦36センチ、横46・5センチ、厚さ1ミリほど。重さは約200グラムで、従来のシリコン製と比べて10分の1程度。薄さや軽さに加え、折り曲げて使えるため、建物の壁面などさまざまな場所で活用が期待できるが、耐久性が課題となっている。
苫小牧埠頭の晴海3号倉庫で、屋根や壁面にパネル計13枚を設置。日揮が開発した「シート工法」を用い、設備架台を無くしてさらなる軽量化を図った。実験は4月1日に始まり、データは遠隔通信で日揮が管理する。従来型のシリコン製パネルも併置し、日射条件による発電量の違いやパネル表面の温度差も計測し、今後の開発に役立てる。
4月25日に報道公開し、エネコートテクノロジーズの加藤尚哉社長は「2026、27年あたりに屋外用の販売製品を世に出したい」と抱負。国内外で競合相手がいるが「スタートアップ企業が優位性を生み出す分野」と述べ、世界初の商品化に意欲を見せた。
来年3月末まで実証実験を行った後、パネルの枚数を増やすなど、本格的な発電設備としての検証も検討している。日揮の山田昇司社長は50年のカーボンニュートラル(温室効果ガスの排出ゼロ)実現に向けて「確実に社会実装に持っていきたい」と話す。
苫小牧埠頭は実証実験で、実証データを踏まえた物流施設への展開を検討する役割を担っており、同社の海津社長は「飼料サイロのような円筒形のものへの利用も進めたい」と展望している。
















