健康な食事は、子どもの成長に欠かせない。だが朝食を週1回以上抜いている子どもは13%に上り、保護者の食に関するリテラシー(知識や能力)が十分でないほど子どもが朝食を抜く傾向が強まる_。国立成育医療研究センター(東京都世田谷区)と新潟県立大(新潟市)などの研究グループは3月、このような調査結果を報告した。
チームは2020年12月、小学5年生か中学2年生の子どもがいる全国3000世帯を無作為に選び、調査を依頼。約半数に当たる1520世帯から回答を得た。
「栄養バランスの取れた食事がどのようなものか知っている」などの「知識」や、「栄養バランスの取れた食事は子どもの成長に重要だと思う」などの「態度」について保護者に尋ね、回答を点数化。朝食を抜いている子の保護者はこれらの点数が低く、抜いていない子の保護者は点数が高いことを確認した。
また、保護者の知識、態度と、食事作りの技術を合わせた「リテラシー」の合計点が上位25%の群では、栄養バランスが取れた食事をしている子どもの割合は19年12月と20年12月時点で100%に近かった。新型コロナウイルス禍の緊急事態宣言と休校により、給食が無くなった20年4~5月も85・2パーセントを維持していた。
これに対し、下位25%の群は平常時で80%前後。緊急事態宣言下では51・8%と大きく下がり、特に野菜や肉、魚、卵を食べられていなかった。保護者が簡単な料理を手早く作ったり、栄養バランスを踏まえて総菜を買ったりすることが難しかった可能性が考えられるという。
収入の影響を統計上の処理で取り除いた場合でも、こうした傾向が見られた。研究グループの石塚一枝・国立成育医療研究センター研究員(栄養疫学)は「厚生労働省と農林水産省が作った『食事バランスガイド』など、栄養バランスについて保護者に知ってもらう取り組みが大切です」としている。

















