男子400メートル(車いすT52)で佐藤はベルギーの新鋭に敗れて連覇を逃し「超悔しい」と顔をゆがめた。3年前の東京大会はこの種目と1500メートルで2冠。圧倒的な強さを誇ったが、彗星(すいせい)のごとく現れたマキシム・カラバンに牙城を崩された。昨年と今年の世界選手権は、対戦した種目全てで敗れた。
今大会でのリベンジだけを見据えてきた。数多くのパラリンピアンを育ててきたオランダ人コーチに昨年から師事し、フォームの改善やスタートの見直しにも取り組んだ。6月の大会では、自己ベストもマーク。やれることはやってきた。
本番では雨が強まって気温も下がり、車いすのレースとしては最悪の環境。決勝は、予選よりもタイムを縮めたが、先を行くカラバンには及ばず「マキシム選手の力がやはり一枚上だった」とうなだれた。東京で金を取った1500メートルは今大会では行われない。残る種目は100メートル。「ひと泡吹かせてやりたい」と闘志を燃やした。

















