食材の鮮度、長期間保持 千歳に低温・高湿倉庫「ゼロコ」

食材の鮮度、長期間保持 千歳に低温・高湿倉庫「ゼロコ」
ゼロコに保管したレタスを確認する楠本社長(右から2人目)ら

 野菜や果物などの鮮度を長期間、高品質に保持する新しい技術「ZEROCO(ゼロコ)」の国内初の大型設備が、千歳市泉沢の物流倉庫に設置された。冷凍庫でも冷蔵庫でもない第三の鮮度熟成技術で、8月28日から実証実験を展開。レタスやトウモロコシなどを、低温・高湿で保管して新鮮さを維持している。

 食産業の基盤づくりなどに取り組む冷却装置製造・販売のZEROCO(東京、楠本修二郎社長)が、千歳市泉沢で倉庫や物流、食品事業などを行うMMCフードサービス(宮谷将徳社長)の物流倉庫に設置した。ゼロコは倉庫内を温度0度、湿度100%程度に保つことで、食材の鮮度を長期間、高品質に保つ技術。23年に事業化し、これまでの設備は最大約30平方メートルだったが、今回初めて広さ165平方メートル、高さ4・8メートルの大型設備を設けた。事業費は非公表。8月28日に実証実験を始め、報道公開を行った。

 楠本社長は「ゼロコは低温・高湿の『雪下野菜』が原点」と述べ「冷凍食品は冷凍前の予備冷却で使用すると、ドリップや冷凍焼けなどの劣化も解決できる。結露や凍結、カビの発生、腐敗リスクもなく、食品ロスもなくなる」と説明。「長期保存できることで、在庫が持てるようになり、供給も安定する。価格決定も可能」と持続可能な農業や漁業、畜産業の構築につなげられる利点を紹介した。

 倉庫はレタスであれば50トン、タマネギであれば100トンの保管が可能。運用については両社で協議して決めるが、収穫が終盤を迎えたトウモロコシをゼロコで保管し、10月に道外の物産展に出荷する計画もある。道産食材を長期保存する実証実験に、宮谷社長は「千歳は農畜産物の生産、供給の両面の拠点として優れている」と千歳の優位性を強調する。

 ゼロコ内で保管するレタスを出荷した恵庭市のあかがわファームの赤川篤志代表は「涼しい時期にレタスを作り、暑い時期にジャガイモなどを作ると、経営の安定化につながる」と述べ、野菜を新鮮なまま狙ったタイミングで出荷できる体制の構築を歓迎。空知管内栗山町のかなまる農園の金丸公雄代表も「野菜は鮮度保持が一番大事。消費者にもメリットは大きい」と期待を込めた。

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