苫小牧市の水道水を供給する高丘浄水場(高丘)について、市は今年度、維持管理の業務効率化に向けた実証実験を行っている。北大北方生物圏フィールド科学センター苫小牧研究林、施設管理業のSSKファシリティーズ(札幌市)との共同研究の一環。鉄製の板を使ってろ過池の藻を除去したり、池をポリエチレン製のシートで覆って藻の繁殖を遅らせたりすることで、一定の成果が出ているという。
高丘浄水場は、川の水をろ過池にため、砂利層や有機物を分解する微生物の層に通して浄化し、水道水を作る。自然を生かした「緩速ろ過方式」と呼ばれ、薬品の使用を抑えられる一方、ろ過池内の小まめな藻の除去が必要で、管理コストの増加に課題があった。
実証実験は今年5月に開始。同浄水場は、ろ過池の水を抜き、藻で汚れた砂面を人力で取り除く「汚砂(おさ)揚げ」を定期的に実施し、一つの池にほぼ一日を費やしていた。実験では「エキスパンドメタル」と呼ばれるメッシュ状の金属板を池に沈め、砂面を覆う生物膜をかき取る作業を行った。
同浄水場によると、汚砂揚げはおおむね23日置き、藻の繁殖が早い夏場は18日置きに行わなければならないが、金属板を使った実験は融雪期の5月と高温期の7月に計2回試行。2~3時間ほどの作業でろ過池の機能回復に一定程度の効果が確認できたといい、市上下水道部は25年度の実用化に向け、予算確保を目指す。
ろ過池の全面に遮熱・遮光シートをかぶせる覆蓋(ふくがい)化実験は7月23日から1カ月かけて展開。2~5日置きに採取した池の水の分析を進めている。SSKの水中ロボットの走行実験も実施中。藻が茂る中でも走行可能であることが分かり、近く藻を取り除く作業も検証する。
近年は苫小牧でも記録的な暑さが続き、緩速ろ過方式への悪影響も懸念されている。共同研究は今年度末でいったん終了する見込みだが、同浄水場の伊藤良太場長は「維持管理コストを抑える工夫を続けながら、おいしい水の安定供給に努めたい」と語る。



















