大の里 馬力発揮、無傷の序盤

大の里 馬力発揮、無傷の序盤

 持ち前の馬力を発揮できれば相手を寄せ付けない。大の里は、喉輪で攻める隆の勝を物ともせずに前進。得意の右をのぞかせ、左から強烈におっつける。力強く押し出し、「しっかり集中した」。

 7月の名古屋場所では相手の喉輪にのけぞって不覚を取った。その残像もあっただろうが、「考え過ぎずに」と借りを返した。成績次第で大関昇進の可能性がある場所で、ただ一人5連勝。前に出る取り口で館内を沸かせ、いい形で序盤を終えた。

 一気の大関とりの可能性もあった先場所は9勝どまり。上の地位を意識していたことを認め、「先走る部分もあった」。今場所の支度部屋では目を閉じながら、「集中するだけ」と繰り返して無我無心を強調する。雑念を振り払い、孤独な闘いと向き合っている。

 場所前には師匠の二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)の胸を借りた。異例の三番稽古に臨むなど、今場所に懸ける思いは強い。「先のことは考えずに集中するだけ」と自身に言い聞かせるように話す24歳の大器。初賜杯を抱いた夏場所のような勢いが戻ってきた。

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