幻想的な画風の作品を手掛ける白老町社台の画家、小野寺マリレさん(80)は、10月までに道内2カ所で個展を開催する。14~29日は旭川市の文化活動発信拠点「旭川プラタナスプレイスかぐら蔵」、10月5~31日は浦河町の町立図書館で開き、「多くの人に見てもらいたい。特に若い人たちの感性に響けばうれしい」と語る。
小野寺さんはドイツ出身。ミュンヘン大学で建築を学び、1966年にアートディレクターなどとして来日。71年にはオーストリア・ウィーン応用美術大学で西洋の古典的な油彩画の技法を学んだ。夫の海外勤務でオーストリア、タイ、米国などを渡り歩き、自作の展覧会を開催。シベリアの先住民族ナナイ族との交流を機に道内のアイヌ民族とも親交を深めるようになった。白老との縁も深まり、2017年に移住。翌年、自宅にアトリエを設けた。
旭川、浦河での個展は初めてで、画商や知人の紹介で企画した。出品作は、テンペラ画など西洋の古典的な技法で描いた油彩画。心象風景、動物、女性、風景画などがあり、「海沿いの街」(60センチ×90センチ)は古代都市が山のような形状を成して海に浮かぶファンタスティックな作品。ほかに、星座、干支(えと)、惑星をテーマとした連作や各国の伝統衣装に着目し、無国籍風の女性を描いた作品がある。
毛先まで1ミリほどのネイルアート用の筆を絵筆にして丁寧に描き上げている。B5サイズの大きさなら2日で仕上げるという。小野寺さんは「観察しながら描くのは苦手。記憶したものを呼び起こしながら描いていくの」と話している。
旭川会場は午前10時~午後5時。毎週火曜と水曜は休む。浦河会場は午前10時~午後6時。水曜のみ同8時までで、毎週月曜は休む。
問い合わせは小野寺さん 携帯電話090(9084)8209。

















