国土交通省が定める「船員労働安全衛生月間」の今月、苫小牧港で船員の安全意識を高める活動が行われている。苫小牧地区船員労働安全衛生協議会が主体となり、海事関係者の労働災害をなくそうと、入港した船舶約30隻に訪船指導を展開している。
毎年恒例の取り組みで、同協議会は今月、立て看板や幟旗(のぼりばた)を港湾施設に設置し、船舶にポスターを配るなど広報活動を広く展開。苫小牧海事事務所の職員が入港する貨物船やRORO船(フェリー型貨物船)、旅客フェリーなどを訪れ、船員法に基づき点検指導を行っている。
11日には西港西埠頭(ふとう)に停泊する栗林商船(東京)のRORO船「神永丸」(1万4054トン)に職員2人が乗船。航海日誌やメンテナンスリストなどの書類を確認し、消火ホースやエンジン周辺の整頓状況などもチェック。約1時間にわたって船内を調べた。
同船の坂内英史船長(51)は「同じ仕事の繰り返しで『慣れ』もあるので、チェックは事故防止につながる」と指導を歓迎し「本船は国内の主要な港をつなぐので、物流を寸断させないように安全確保を頑張りたい」と気を引き締めた。
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北海道運輸局のまとめによると、船員が3日間以上の休業を必要とした労働災害発生件数は2023年度、前年度比9件減の48件で、統計の残る00年以降で初めて50件を下回った。
ただ、苫小牧海事事務所によると、船員の労働災害発生率は陸上産業の比率と比べて高い状況で、原因は転落・墜落、挟まれ・巻き込まれ、転倒の三つが事故件数の約8割を占めるという。
19~23年度の5年間で発生した計283件のうち、226件が三つの要因によるもので、主に漁船内の事故。同事務所は、普段から「ヒヤリハット」を社内や船内で共有し、危険予知の訓練を行う大切さを説く。
訪船指導を担当する同事務所の伊藤康生・首席運輸企画専門官(50)は「おととしには知床の観光船のような重大事故もあった。安全衛生が保たれているかを確認し、事故の再発防止に努めたい」と話していた。
















