熊出没に備え 撃退スプレー噴射体験 町、苫小牧署、防除隊が連携 合同演習  厚真

熊出没に備え 撃退スプレー噴射体験 町、苫小牧署、防除隊が連携 合同演習  厚真
ヒグマが市街地に出没した想定で行われた合同演習

 厚真町は24日、町本郷のかしわ公園野球場で「熊出没時における合同演習」を初めて実施した。町と苫小牧署、町熊防除隊から18人が参加。ヒグマの発見から駆除までの動きを確認したほか、見学者を交えて熊撃退用スプレーの噴射体験を行った。

 町によると、2024年度のヒグマに関する通報件数は4月から今月24日までに9件あった。23年度は1年間で31件あり、今年の目撃情報は少ないものの、市街地に出没した場合は同署との連携が必要となるため、合同演習を企画した。

 訓練は、体長約1・5メートルのヒグマ1頭が市街地近くで目撃され、町民から町役場に通報があった想定で実施した。町職員は速やかに同署と同隊に連絡し、同署は付近の交通規制や住民への屋内避難の呼び掛けを行った。

 駆除には最初、動物駆逐専用の花火玉「ごう音玉」を使用したが、ヒグマが市街地に近づいているとして3者で協議。住民の安全を確保した上で、同隊がライフルで駆除するまでの動きを確認した。その後、ヒグマを撃退する効果があるスプレーを試射し、射程内が5メートルであることを実演した。

 町産業経済課林業・森林再生推進グループの山岡克年参事は講評で、「市街地に出没した場合、訓練のように連携しながら円滑な作業を進めたい」と述べた。

 同署はヒグマから身を守るため▽野山に1人で入らず、複数で会話をして人の存在を知らせる▽ヒグマの足跡や食べた跡、ふんを見たらすぐ引き返す▽出没情報に注意する―など6点を挙げ、屋代圭介地域課長は「山に入る場合、スプレーや鈴を持つことが有効。ヒグマと遭遇したら、落ち着いて行動してほしい」と呼び掛けた。

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