鈴木直道知事は21日、道庁でJR北海道の綿貫泰之社長と会談した。渡島管内森町のJR函館線森―石倉間で16日未明に発生したJR貨物の貨物列車(21両編成)脱線事故や、単独では維持困難とする赤字8区間(通称・黄色線区)の収支改善目標を含む実行計画などを巡り、幅広く意見を交換した。
鈴木知事は貨物脱線事故について、「人流物流の面で大きな影響があった。遺憾に思っている」と切り出し、19日には道がJRに対して鉄道輸送の安全確保を要請したことを説明。「JRの経営の再生と本道の持続的な鉄道網の確立に向けては、輸送の安全安心が大前提と考えている」と指摘した。
綿貫社長は「ご利用のお客さま、貨物の荷主の皆さま、そして関係者の皆さんに多大な心配、不便、迷惑をおかけしたことを深くおわび申し上げる」と陳謝。脱線の原因は「まだ運輸安全委員会から言及はないが、当社としてはレールの腐食が原因の可能性が高いと思って対応している」と説明。脱線の起点とみられる「鷲の木道路踏切」と類似条件の踏切の緊急点検を実施しているが、「今後実施範囲を拡大し、超音波探傷器による点検を行っていく」と強調。「運輸安全委員会の調査結果を待つことなく、何らかの可能性が分かった段階で直ちに是正、対応していく」との姿勢を示した。
JRが黄色線区を巡り、9月に策定した「事業の抜本的な改善方策の実現に向けた実行計画」についても意見を交換。実行計画は2024~26年度の3年間に取り組む内容を記載。26年度に達成する収支の数値目標は、17年度実績と同水準とする「基本指標」と17年度比で赤字を26%削減する「チャレンジ目標」(収支改善目標)の2段階を設定。最終的に8区間の赤字額を「約100億円」まで圧縮することを目指している。
知事は「チャレンジ目標をどう捉えるか。位置付けを明確化していくことが必要。沿線自治体からもさまざまな声が出ている」と指摘。道として「基本指標の達成を引き続き目指すことが大前提。その上でチャレンジ目標があると考えている」とし、「こうした考えの下でJR、地域が線区の維持、活性化に向けて持続的に取り組んでいくことが重要ではないか」とJR側の考えをただした。
綿貫社長は「知事の指摘、考えに全く異論はない。賛同する」と強調。「線区の特性に応じた目標の位置付けを明確化することによって、関係者が共通の認識で前に進んでいけると考えている」と述べた。
















