データセンター建設正式表明 総事業費650億円超 26年度稼働

データセンター建設正式表明 総事業費650億円超 26年度稼働
苫小牧で建設予定のDC完成予想図(提供)

 経済産業省は7日、通信大手ソフトバンク(東京)が苫小牧市に建設予定のデータセンター(DC)に対し、2026年度まで最大300億円を補助すると発表した。同社は同日、都市部に立地が集中するDCの地方分散を進め、次世代社会インフラ構想の要とする「Core Brain(コアブレイン)」を構築すると発表。苫小牧でこれまでDC誘致を推進してきた官民関係者は、国内最大級の大型DCの正式発表に「地域経済の活性化につながる」などと期待の声を上げた。

苫東地域に進出 AI関連に活用

 ソフトバンクは子会社のデジタルインフラ専業IDCフロンティア(東京)とともに、苫小牧東部産業地域(苫東地域)の臨空柏原地区で、26年度にDCを稼働する予定。総事業費は650億円超を見込む。

 ソフトバンクは国内13カ所でDCを展開。国内DCの約8割が東京や大阪など都市部に集中する中、両社はデータの処理や電力の消費を全国に分散する「Core Brain」として構築するという。

 まずは5万キロワット規模のDC開業を目指し、自社の生成AI(人工知能)開発に必要なサーバーなどを設置する方針。将来的に国内最大規模となる敷地面積70ヘクタール、受電容量30万キロワット超の拡張を見込む。

 高いデータ処理能力がある大規模な計算基盤環境を新たに構築し、生成AIの開発やAI関連事業に活用する他、大学や研究機関、企業など産学官に幅広く提供するという。

 DCで使う電力は、同社子会社の小売電気業SBパワー(東京)と、北海道電力(札幌市)の供給を受ける考え。道内の再生可能エネルギーのみを使用する地産地消型「グリーンDC」として運用するとしている。

 ソフトバンクは「次世代社会インフラの構築に向けて、将来必要になるDCと計算基盤環境の整備、DC運用に必要な再生可能エネルギーの調達を進めていく」としている。

市「しっかり協力したい」 「他企業進出に期待」商議所

 2021年からDC誘致に力を入れる苫小牧商工会議所の外囿心一専務理事は「DCセミナー開催や要望書提出など誘致に向け活動してきた」と振り返り「これで北海道バレー構想の口火が切られたのではないか。他のDCやDCを利用する企業の苫小牧進出にも期待したい」と歓迎した。

 市も新たなビジネス需要の創出や地域振興が見込めるDCを、まちづくりに生かそうと誘致に力を入れてきた。岩倉博文市長はポートセールスの韓国到着前にコメントを出し、「市民生活あるいは道民生活、事業活動のデジタル化推進、地域経済の活性化に寄与するもの。事業が円滑に進むようしっかり協力していきたい」とした。

 鈴木直道知事はDC正式決定を受けて「本事業の着実な実施・拡大に向け、全力でサポートしていく」との談話を発表した。本道へのデジタル産業の一大拠点の形成に向けて「北海道データセンターパーク」構想を進める中、苫東へのDC建設発表は「まさしくこの取り組みを一層促進させる基幹インフラと位置付けられる。大いに期待している」と強調。「国が掲げるデジタル田園都市国家構想の実現や国全体のデジタル産業の発展にも貢献するもの」との認識を示した。

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