7割が「マイナス影響」 時間外労働の上限規制 道内企業 商工リサーチ道支社調査

7割が「マイナス影響」 時間外労働の上限規制 道内企業 商工リサーチ道支社調査

 これまで猶予されていた建設業や運輸業などで時間外労働の上限規制が、2024年4月に始まる。東京商工リサーチ北海道支社では、この「2024年問題」に関する道内企業調査結果を発表した。全体の70・5%の企業が「マイナスの影響」が生じると回答した。

 マイナスの影響が発生すると回答した企業の内容は、「大いにマイナス」が27・6%で、「どちらかというとマイナス」が42・9%だった。

 マイナスと回答した企業の規模別では、大企業が76・7%で、中小企業は69・8%。大企業が中小企業を6・9ポイント上回った。

 マイナスと回答した産業別では、小売業が90・9%で最多。これに製造業(88・6%)、卸売業(78・1%)が続いた。時間外労働の上限が規制される建設業は77・6%で、運輸業は76・9%だった。

 10産業のうち、マイナス回答が半数を超えたのは7産業。最も低い産業は、16・6%の不動産業。一方、プラスと回答した企業の割合が最も高かったのは情報通信業とサービス業・他(各10%)だった。

 どのようなマイナスの影響を受けそうか(複数回答)については、「物流・建設コスト増加による利益率の悪化」が67・53%でトップ。これに「稼働率の低下による利益率の悪化」(37・17%)が続いた。

 建設業と運輸業は、残業や休日出勤で受注をこなすケースが多く、規制適用後はこうした時間外労働時間を削減する必要がある。工期や納期の遅れ解消には人員確保に動く必要があるが、確保のために人件費の上昇も懸念されている。特に物流を担い、あらゆる産業と密接な関係にある運輸業は、影響がさまざまな産業に波及する可能性が高い。

 同支社では「これまでは運輸業者や建設業者がこうした負担を長時間労働で肩代わりしてきた実態がある」と強調。「今後は一部の産業、企業に負担を強いるのではなく、産業界全体で負担を共有し、軽減するための取り組みを進めることが求められる」としている。

 調査は10月2~10日に、インターネットで実施。道内企業275社から有効回答を得た。

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