苫小牧漁業協同組合(伊藤信孝組合長)の秋サケ定置網漁は今季、記録的な不漁が続いている。9月1日の漁解禁から今月14日までの漁獲量は約68トンで、前年同期と比べて80%も落ち込んだ。統計史上最低だった2021年の年間149トンを下回るのは確実で、同漁協は「生産者にとっては死活問題。過去にない厳しさ」と頭を抱えている。
同漁協がまとめた速報値。漁獲高は前年同期比80%減の約5600万円(税抜き)にとどまり、1キロ当たりの平均卸売価格は830円で約20円高。今年は9月4日の初揚げ以降、漁獲量が前年を下回り続け、例年であれば漁がピークを迎える10月も、1日当たり数トンの水揚げだった。
今年は海水温の高温状態が続いている。気象庁のデータによると、胆振中・東部沿岸の海水温は9月1日時点で25度超で、9月下旬以降も20度以上と高めで推移。サケの回帰に適温とされる19度以下になったのは10月6日で、直近2年間と比べて10日以上も遅れた。
海水温が下がってからも水揚げは1日1~4トン程度。前年は10月に1日10トン超が続くなど本格化したが、今季は漁業者らの期待を大きく裏切っている。漁期は終盤を迎える中、同漁協は「出漁できてあと5、6回。ピークは過ぎており、年間100トンに届かない可能性もある」と懸念する。
道立総合研究機構さけます・内水面水産試験場(恵庭市)は、不漁の要因の一つに海水温の高温化を挙げ「通常は3年魚の5~7倍の4年魚が来遊するが、今季は多くて2倍程度と特殊な現象」と指摘。21年に道東やえりもの太平洋沿岸で赤潮が発生した際も、同様の状況だったというが「今回は局地的ではなく、アラスカなど北太平洋全体で報告されている」と説明。原因の究明と資源調査方法の見直しを考えている。
胆振海区(室蘭・地球岬―むかわ)の秋サケ定置網漁は12月3日まで。同漁協は苫小牧沿岸の西側海域に5カ統の権利を持つ。
















