心機一転のシーズンへ 小林陵、高梨の男女エース ジャンプW杯 スキー

心機一転のシーズンへ 小林陵、高梨の男女エース ジャンプW杯 スキー
ジャンプ男子の小林陵侑(上)と女子の高梨沙羅(EPA時事)

 ノルディックスキーのワールドカップ(W杯)ジャンプは男子が25日にフィンランドのルカで、女子が12月2日にノルウェーのリレハンメルで開幕する。男女エースの小林陵侑(チームROY)と高梨沙羅(クラレ)は、ともに心機一転して新たな戦いに臨む。

 4月にプロ転向した小林陵は企業チームから飛び出して活動の幅を広げ、自身が道を示すことで日本ジャンプ界の底上げを目指す。新体制では土屋ホーム時代に2019年まで指導を受けたヤンネ・バータイネン氏とコーチ契約。オフには高梨、男子の中村直幹(フライングラボラトリー)と一緒に練習して、ジャンプをつくり込んだ。

 昨季は最終的にW杯で3勝を挙げ、世界選手権では銀メダルを獲得したが、序盤に苦しむなど消化不良なシーズンとなった。フィンランド出身で母国の代表コーチも務めた恩師との再タッグには手応えを感じているようで、「刺激のある楽しい合宿だった。楽しみ」と静かに闘志を燃やす。

 W杯歴代最多の通算63勝を誇る高梨もバータイネン氏と契約した。より風に乗るため踏み切りの姿勢を改善。小林陵、中村直の足の使い方を参考にして、板を立て過ぎずに飛ぶフォームづくりに励んだ。「さすが陵侑を育てた方。今まで気にしていなかったことを大事にして、考えさせられた」。新たな発見の連続に充実した表情を見せる。

 同じ27歳の男子2人からは、技術以外に得たこともある。「2人のポジティブさを吸収した。気持ちが落ちがちなときに、相談できる相手がいるのは強み」。これまで主に1人で練習してきた高梨にとって新鮮な時間だった。昨季はW杯参戦12季目で初の未勝利。新たな刺激を入れ、巻き返しのシーズンに挑む。

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