苫小牧市や苫小牧署は、エゾシカが関係する交通事故への警戒を強めている。今年、市内では9月末までに222件(前年同期比24件増)起きており、ドライバーも「あすはわが身」と不安視。繁殖期でエゾシカの動きが活発化する中、昨年は事故の半数近くが10~12月の3カ月間に起きており、市などは一層の注意喚起を求めている。
「昨年10月ごろから、シカ関係の修理依頼が急増している」。そう語るのは、車両の板金、塗装、修理を手掛けるボデーショップカドワキ(錦岡)の門脇貞男社長(75)。今年も10月に入りほぼ毎日、エゾシカ絡みの修理依頼が寄せられているという。
同社によると、事故発生場所は糸井から植苗まで市内ほぼ全域。郊外が目立つが、最近は豊川町や柏木町などでも増えている。門脇社長は「シカと接触すると、車両の左右どちらかが破損することが多く、車両同士の事故より費用が高くなるケースがある」と話す。修理費用は平均40万~50万円と高額で100万を超える場合も。「過去には外国車の修理に約300万かかった例もあった」と明かす。
道警のまとめによると、苫小牧市内では2021年に303件、22年は366件のシカ絡みの交通事故が発生。2年連続で道内市町村別で最多となっている。
こうした現状を踏まえ、市は10月中旬、地元農家や猟友会らとのエゾシカ円卓会議を初開催。苫小牧西港フェリーターミナルで来道者にチラシなどを配って注意を促すキャンペーンも展開した。
昨年に続き、飛び出しにドライバーが素早く気付けるよう勇払、弁天の市道脇の草刈りを実施。昨年1年間の事故現場を明記した「エゾシカ交通事故発生マップ」を作成し、市のホームページから無料ダウンロードできるようにするなど対策に力を入れている。
苫小牧署の伊藤昌彦交通1課長は「事故は郊外の国道や道道など、スピードが出しやすい道路で多発している」と指摘。「エゾシカは群れで動くため、1頭見つけたら複数いると考え、慎重に運転してほしい」と呼び掛けている。



















