札幌見限ったIOC 38年冬季まで候補地確保へ

札幌見限ったIOC 38年冬季まで候補地確保へ

 冬季五輪の開催候補地は2030、34年とも一つに絞り込まれ、IOCはさらに38年の一本釣りにも踏み切った。当初は30年の最有力候補だった札幌市は38年まで招致が厳しい状況に追い込まれ、出直しを迫られる。

 デュビ五輪統括部長は理事会後の記者会見で、札幌の招致活動をこう説明した。「再び将来的な開催の提案をするまでに時間をかけたいとの意向が日本オリンピック委員会から示された。(招致の)提案を継続するよう促してきたが、彼らは主にガバナンス(組織統治)関連の理由で、いったん手を引くと決断した」

 21年東京五輪を巡る汚職・談合事件の影響で札幌招致への不信感が強まると、IOCは昨年12月、気候変動の影響を検討するとの理由をつけて30年の候補地絞り込みを先送りした。その後も札幌への逆風は収まらず、欧州における複数の地域で30年開催の見通しが立ったことから、IOCは札幌側が当面の招致を断念したと捉えて見限った。

 選考を担う将来開催地委員会によれば、気候変動の影響で冬季五輪の開催候補地は40年までに10に減る。大会の存続も危ぶまれる課題に直面し、IOCはかなり先の候補地まで早めにめどをつけたかった。

 将来開催地委のシュトス委員長は「ローテーションの原則では(38年以降に開催地が)再びアジアに戻る。日本がより明確で深い対話に臨む準備ができれば、また扉は開くだろう」と述べた。

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