苫小牧市高丘の北大苫小牧研究林内でイチイ(オンコ)の保全活動を続けてきた有志の会「古里後楽オンコの森を育てる会」は、今年で活動を休止することを決めた。発起人の高齢化で作業が難しくなり、同研究林に維持管理を依頼した。発起人の1人でオンコの森造成時に研究林(当時は演習林)の林長だった石城謙吉さん(89)=安平町在住=は「市民の力で守ることができた意義は大きい。今後も豊かな森を残してほしい」と願っている。
オンコの森は研究林内の山王神社から駐車場にかけての傾斜地約1・2ヘクタールに広がる。1984年、当時札幌市でオンコを大切に育てていた古里後楽さん(故人)から2700本の苗木を譲り受け、移植した。20年以上がたち5~6メートルまで成長した一方、エゾシカの食害で枯れる木が増え、森づくりに関わった有志6人が2010年、「育てる会」を立ち上げた。
同会は広く市民の参加を募り、食害対策を開始。同年11月の初回は市内外から約80人が参加し、シカよけ用ネットを手分けして巻き付けた。併せて、古里さんが森に込めた思いを紹介するプレートも近くに設置。毎年1~2回のペースで保全作業を続け、昨年11月の15回目までに延べ400人以上が携わった。
事務局を長年務めた元苫小牧市博物館長の長谷川充さん(77)=市内在住=は「いつも散歩していて恩返しがしたい―など、研究林を愛する人たちが集まる機会になっていた」と活動を振り返る。しかし、発起人のほとんどが90歳前後になり体力的に厳しく、これまでの参加で住所を把握している20人ほどに、11月2日付で休止の案内を出した。
同研究林は会の活動を引き継ぎ、木々の間伐や防護ネットの取り替えを行い、森を大切に守っていく方針だ。
















