駒大苫小牧高校女子硬式野球部の内野手、佐藤瑚々七(3年)が11月、東京ドームで行われた「SATO presents 高校野球女子選抜vsイチロー選抜KOBE CHIBEN」に高校野球女子選抜の一員として出場した。プロ野球のオリックスや米大リーグのマリナーズなどで活躍したイチローさん(50)との対決を振り返り「わくわくしながら試合に臨むことができた」と笑顔を見せた。
初めてのドーム球場でのプレー。広さや観客の多さに驚きながらも「普段感じることのできない貴重な経験。緊張したが、楽しさの方が上回った」。佐藤は六回からの出場。守備はショートに就き、攻撃は第1打席をファーストフライに仕留められ、第2打席はイチローさんの130キロ以上ある速球や切れのある変化球に対応できず、三振に終わった。
マウンドに立つイチローさんの姿に「相手が女子だろうと負けない―という気持ちを打席に立ってひしひしと感じたし、圧倒された。ヒットを打つことを目標に準備したつもりだったが、想像以上だった」と回顧する。
試合の翌日、イチローさんが女子高生の質問に答える交流会が設けられた。「ピンチを乗り越えることができれば成長できる」という言葉に心を動かされ「野球に対する考え方や感性を聞くことができた。人生で一度しかないチャンスにメンバーとして選んでもらい、もっと頑張ろうと思った」と話す。
卒業後は駒澤大学へ進学し、女子野球チーム「ゴールドジム」に所属する。兄の影響で幼稚園の頃に野球を始め、中学でけがを経験して投手から内野手へ転向した。
進学先を決めるため駒大苫小牧高校へ見学に訪れた際、「日本一に向けたチームの姿勢や雰囲気を体験してこの学校に来たいと即決した」と振り返る。最後の年は副主将としてチームをまとめ、全国高校女子硬式野球選手権大会では初のベスト4進出に貢献。「つらく苦しいことの方が多かったが、最後の夏にやり切ることができて良かった」とほほえみ「今回の経験を生かしてまだまだレベルアップし、女子野球界を代表するような選手になりたい」とさらなる高みを目指す。
同イベントは「女子高校野球選抜強化プログラム」の一環として、2021年から3年連続で開催。今年の女子選抜は全国から20人が選出された。試合はイチローさんが9番投手で先発し、116球を投げて完封。打っては4打数2安打だった。西武などでプレーした松坂大輔さん(43)は4番遊撃で出場し、4打数1安打。スコアは4―0でイチロー選抜KOBE CHIBENが勝利した。

















