IR議論 4年ぶり再開 道議会自民会派 「有志の会」立ち上げ

IR議論 4年ぶり再開 道議会自民会派 「有志の会」立ち上げ

 道議会の最大会派、自民党・道民会議(54人)は15日、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)の本道誘致を考える「有志の会」を立ち上げた。2019年11月に同会派の全議員で構成する「IR検討調査会」(53人)で賛否両論が渦巻き、結論を出せずに議論を打ち切って以来、約4年ぶりの議論再開となる。道議会庁舎で開いた会合では、外部から講師を招いた勉強会を初めて開催。今後も定期的に会合を重ねていく姿勢だ。

 第4回定例道議会閉会の翌日に設定した初会合には、同会派の23人の道議が出席。全国でIR計画などに携わる、あずさ監査法人の丸田健太郎常務執行理事が講師を務め、「日本型IRの要諦と北海道IRのポテンシャル」をテーマに説明。冒頭以外は非公開で開催され、出席した道議らは会派内に「有志の会」を発足させることを正式に決めた。

 終了後、代表世話人として勉強会を企画した伊藤条一道議と事務局を務めた船橋賢二道議が記者団の取材に応じた。

 伊藤氏は、鈴木直道知事の誘致見送り表明の19年11月から4年間、「道議会も議論してこなかった」と説明。ただ、4年が経過し「千歳にラピダス(東京)が進出するなど経済状況は変わってきている」と指摘。「私たちは議員として本道経済の底上げを念頭に置いている」とし、「IRはたくさんのインバウンド(訪日客)も呼び込める。経済界も根強いIR誘致の賛同者がいる」と強調。「一回白紙になったが、もう一度IR誘致について勉強を重ねていきたい」と設立趣旨を語った。

 記者団から「有志の会は推進の立場と基本的に理解していいか」との質問に対しては、「私たちはそういうつもりでいる」としながらも、「同じような考え方ばかりではない」とも説明。「懇談を重ねて、同じ気持ちで進んでいきたい」と述べた。

 苫小牧市植苗地区を優先候補地とするIRを巡っては、19年11月29日に鈴木知事が定例道議会で「認定申請見送り」を正式に表明。最大与党の自民会派で賛否両論が渦巻き意思統一が図られなかった点や、植苗地区で猛禽(もうきん)類などの希少動植物の存在も明らかになり、環境影響調査(アセスメント)に時間がかかることを重視して申請を見送った。ただ、知事は再挑戦の姿勢は崩しておらず、今春の2期目の知事選で苫小牧民報社が行った政策アンケートでIRの考え方について「北海道らしいIRコンセプトの構築に向け、中長期的な視点に立って検討していきたい」と回答している。

 整備区域を募る国の1次募集では全国2地域が手を挙げ、今春認定された大阪府・市が30年の開業を掲げる一方、長崎県は資金面が課題となり審査継続となっている。

■道内を中心とするIR誘致を巡る動き
 2018年7月20日 IR整備法が可決・成立、全国で最大3カ所の設置方針示す
 19年4月7日 知事選で自民、公明、新党大地推薦の鈴木直道氏が、カジノ誘致反対を打ち出した野党統一候補の石川知裕氏を破り、初当選。公約で「道がまとめた『基本的な考え方』をベースに、道民目線で早期に判断」と明記
 4月17日 道が高橋はるみ知事(当時)時代にまとめた「基本的な考え方」を公表。優先候補地は苫小牧市植苗地区とする
 10月2日 鈴木知事が道議会予算特別委員会で誘致に「挑戦するのか、しないのか。年内に判断したい」と表明
 10月21日 道経連や道商連など道内経済4団体が誘致実現へ「緊急共同宣言」を発表。その後、4団体が加わり計8団体で知事に要望
 10月28日 優先候補地の苫小牧市議会がIR誘致推進決議案を賛成多数で可決
 11月19日 国土交通省が誘致を目指す自治体の区域整備計画の認定申請期限を2021年1~7月と発表
 11月25日 道が今秋に道民を対象に実施したグループインタビューなど3種類のアンケート結果を公表
 11月26日 最大与党の自民党・道民会議のIR検討調査会で賛否両論が渦巻き、全体会議で意見集約を断念
 11月28日 鈴木知事が自民会派に「誘致見送り」伝える
 11月29日 鈴木知事が定例道議会一般質問で「IR誘致の認定申請見送り」を正式表明
 23年4月9日 知事選で鈴木知事が再選。苫小牧民報社の政策アンケートでIRについて「国の動向も注視しながら、北海道らしいIRコンセプトの構築に向け、中長期的な視点に立って検討していきたい」と回答
 12月15日 道議会自民党・道民会議でIR誘致を考える「有志の会」立ち上げ。勉強会を開始

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