DMAT 苫小牧で初訓練 巨大地震想定、対応力磨く

市立病院内に活動拠点本部を設置して訓練

 災害発生直後に被災地で展開する機動力を持った医療派遣チーム「DMAT」の実動訓練(道主催)が16日、苫小牧市をメイン会場に行われた。苫小牧では初実施で、道DMAT指定医療機関25カ所から29チーム約150人が参加。日本海溝・千島海溝沿いで発生した巨大地震を想定し、対応力を磨いた。

 DMATは1995年1月の阪神・淡路大震災を教訓に、災害発生から48時間以内の急性期に活動展開できるよう訓練された医療チーム。医師、看護師、他の医療職や事務職員が担う業務調整員らで構成し、被災地の病院支援や重傷者の広域医療搬送などを担う。

 道内でDMAT派遣が可能な医療機関は37カ所あり、道は年1回実動訓練を行っている。今年は巨大地震で津波のリスクが高い太平洋沿いのうち、苫小牧市を初めて主会場に設定。三陸・日高沖を震源とする最大震度6弱の地震が発生し、最大23メートルの津波が押し寄せたと想定した。

 苫小牧をはじめ、札幌、函館、釧路、稚内などの道DMAT指定医療機関が参加。参加者には想定のみを伝え、訓練の進行やシナリオなど詳細は知らせないブラインド方式で行った。

 市内で災害拠点病院の一つに指定されている市立病院(清水町)を活動拠点本部とし、東胆振、日高の各医療機関の被災状況について、現地やオンライン会議システムなどで確認。支援の優先度に応じてDMATの派遣体制を練った。

 市消防防災訓練センター(新開町)では、大規模災害時に航空機搬送する際、空港や公園などに設ける航空搬送拠点の臨時医療施設SCUの設置訓練を行い、合わせて避難所活動訓練も展開した。

 SCUは訓練棟内に救護用シェルターを設置。市内の病院などが津波で浸水して医療体制の維持が難しくなったとの想定で、複数のDMATチームが連携し、救急車で次々と運ばれてくる患者役を一時受け入れ、シェルター内で治療しながら次の搬送先を調整した。

 避難所活動訓練では、DMATチームが避難者役の体調を聞き取り、優先度を確認しながら対応。妊婦や在宅酸素療養中の高齢者などの患者役もいる中、情報を共有しながら救急搬送の指示も出すなど、本番さながらの訓練を繰り広げた。

 17日には検証会を実施。冬季訓練は過去10年で前例がなく、SCU内の低温、積雪や路面凍結などの悪条件が課題に挙がったという。道地域医療課の長野徹也課長補佐は「道外から応援に来ていただく可能性もある。北海道ならではの課題が見つかり、意義ある訓練になった」と述べた。

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