自民党派閥の政治資金パーティー収入を巡る問題で、東京地検特捜部は19日、億単位に上る収入を政治資金収支報告書に記載しなかった疑いがあるなどとして、政治資金規正法違反(不記載・虚偽記載)容疑で、最大派閥「清和政策研究会」(安倍派)と「志帥会」(二階派)の事務所(いずれも東京都千代田区)を家宅捜索した。
特捜部は秘書、会計責任者らに対する任意の事情聴取を行ってきたが、両派とも不記載額が大きく故意性も強いとみられることから、実態解明には強制捜査が必要と判断したもようだ。政界を揺るがす「政治とカネ」の問題は、刑事事件に発展した。
関係者によると、収入の不記載額は時効にかからない2022年までの5年間で安倍派が約5億円、二階派は1億円超に上るとみられる。
両派では派閥のパーティー券販売について所属議員の当選回数や役職などによってノルマが設けられ、超過分は議員側にキックバックする運用が行われてきた。安倍派はノルマ超過分を議員側に還流させ、派閥と議員側の収支報告書にそれぞれ支出、収入として記載せず裏金化していた疑いもある。
安倍派の大半の議員側がキックバックを受けており、大野泰正参院議員側が約5000万円、派閥幹部では松野博一前官房長官、高木毅国対委員長、世耕弘成参院幹事長側が各1000万円超などとされる。
二階派もノルマ超過分を派閥の収支報告書に収入として記載していなかった疑いがあるが、安倍派とは異なり、キックバック分については派閥と議員側の収支報告書にそれぞれ支出、収入として記載されていたとみられる。
任意聴取に、会計責任者らは収支報告書の不記載について認め、安倍派議員の複数の秘書は、キックバック分について「派閥の指示で記載しなかった」などと説明しているという。
特捜部は、政治資金規正法違反容疑での立件を視野に入れ、派閥の不記載を中心に捜査。安倍派議員の任意聴取も16日に始めており、議員側の不記載については悪質性などを踏まえ立件の可否を判断するとみられる。
















