招致活動に大きな区切り 札幌五輪 市長「将来の芽残したい」

五輪招致活動の停止を決めた関係者意見交換会=19日午後、札幌市中央区

 2038年までの冬季五輪招致が事実上困難となった札幌市は19日、市内で招致関係者意見交換会を開き、現在の招致活動を停止することを正式に決定した。席上、秋元克広市長は「仮に38年大会の招致の可能性が再浮上したとしても15年先で、札幌の課題やまちづくりに対して大会がどのような効果を発揮するのか見通せない」と説明し、「現在の招致活動は停止せざるを得ない」と表明。出席した経済界代表などから同意を得た。14年11月に上田文雄前市長が表明以降、足かけ9年にわたった五輪招致活動に大きな区切りをつけた。

 国際オリンピック委員会(IOC)は11月下旬の理事会で、30年大会はフランスのフレンチアルプス、34年大会は米国のソルトレークシティーに開催地を内定。38年大会もスイスと「優先対話」を行うことを決定している。

 こうした現状を踏まえて開いた意見交換会には、日本オリンピック委員会(JOC)や道、オリ・パラ競技団体、競技会場を予定していた市町、経済界などから代表者12人が出席した。

 オンラインで参加したJOCの尾県貢専務理事は18日の理事会の決定内容を説明。「オリンピックへの信頼を取り戻すためにも、現在の招致活動は停止することが良いということでまとまった」と札幌市などの道内招致関係者に提案した。

 札幌招致期成会の岩田圭剛会長(道商連会頭)は「大変残念な思いだが、いったん立ち止まることはやむを得ない」としながらも、「大会の開催意義や効果は将来においても何ら変わることはない」と強調。「道内経済活性化の起爆剤として、長期的な観点から将来の大会招致を見据えてほしい」との姿勢を示した。

 鈴木直道知事は「38年も事実上困難という現状を考えると、招致停止という方向性の考えは私も同じ」と述べた。ただ、JOC側には「東京五輪を巡る一連の事件で、依然として五輪に対する国民の厳しい目が向けられている」と指摘。今回の招致活動にも「非常に重要な要素。信頼を取り戻すための取り組みを、着実に実行していただきたい」と注文をつけた。

 終了後、記者団の取材に応じた秋元市長は「停止」という言葉を使った意味について「撤退や白紙となれば、将来の芽もなくなる。芽は残したい」と語った。

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