相撲の魅力、次の世代に 苫小牧相撲少年団

苫小牧相撲少年団のメンバー

 苫小牧市汐見町のプレハブを拠点に、日々奮闘する苫小牧相撲少年団。指導する杉山秀人監督は「全国大会で勝ち上がる選手を育てたい」と熱いまなざしで語る。

 30年弱の歴史を歩んできた同少年団。OBでもある杉山監督は日本大学の相撲部に所属し、学生時代を相撲一筋で過ごした。父から道場の後継者として譲り受けたのは約20年前。「北海道の相撲は強いんだぞ―と全国にアピールしたい一心で取り組んできた」

 稽古は厳しく―。始めに土俵の周りをランニングで20周。体が温まったところで四股を踏む。「一回一回を丁寧に。足をしっかり伸ばして力強く」と杉山監督の声掛けに鼓舞されて約100回を目いっぱい行う。「上半身の状態と目線が大切。地味だけどとても重要な稽古」と語る。

 すり足などの基本動作も丁寧に行った後「ぶつかり稽古」がスタートする。力いっぱい押して杉山監督を土俵の外に押し切るメニューだ。みんなが口をそろえて「一番きつい」と話すほどだ。一瞬も力を緩めず、ひたすら全力で押す。顔を真っ赤にしながら、時に涙を流しながらも精いっぱいこなす子供たちに「よく厳しい稽古に耐えて頑張っている」

 現在は3人が所属。大場太陽(沼ノ端中2年)は上手投げ、出し投げを得意とする技術派。佐藤魁吏(糸井小6年)は投げ技を得意とし「ぶつかり稽古は一番つらいけど、たくさん稽古して強くなりたい」と話した。

 涙ながらに稽古に励んでいた佐藤尊吏(糸井小4年)は、同学年では道内敵なしの実力者。押し出しを武器に全国大会でもベスト8入りを果たすなど好成績を収めている。「稽古はつらいけど、強くなるために頑張る。将来は立派な力士を目指したい」と意気込みを語った。

 一時は20人以上も在籍していた同少年団。競技人口の減少により年々団員は減り、今は3人と少数ながらも熱心な指導を行う杉山監督は「子供から大人まで、幅広い年代に相撲の魅力を伝えたい。これからも子供たちと向き合い、熱い指導を続けていきたい」と笑顔で話した。

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