新型コロナウイルスの感染症法上位置付けが「5類」に移行し、観光需要が順調に回復した2023年。苫小牧市内でも観光イベントが規制なく行われ、人の往来も活発になった。苫小牧観光協会の市町峰行会長に今年を総括してもらい、新年の展望を聞いた。
―今年を振り返って。
「コロナの5類移行がイベント開催の追い風になった。規模や集客人数のハードルがなくなり、気兼ねなく催事を敢行できた。9月2、3両日にキラキラ公園で開いた『トマコマイミライフェスト』も、昨年の反省を生かして会場を1カ所に絞り、約1万9000人が訪れて評判も良かった。まだ成功したとは言えないが、昨年よりもうまくいったのではないか」
―ミライフェストの今後の展開は。
「会場の目の前に大きな船が泊まっているロケーションは珍しく、音楽ライブやフェス好きな人たちに『刺さっている』実感がある。ライジング・サン・ロックフェスティバル(石狩市)には及ばないが、さらなる知名度の向上や音楽ステージの複数展開などで、観光の目玉にしていく。まずはしっかりと地固めし、夏の北海道を代表する音楽フェスにしていければ」
―苫小牧地域の観光の課題は。
「観光資源に乏しいことが課題だ。特に自然を楽しめるような施設がなく、他地域との競争に簡単には勝てない状況だ。まずイベントを開催し、市内外から人を呼び込み、にぎわいをつくる必要がある。イベントの観光、食の観光を強化して交流人口を増やし、経済効果につなげたい」
―「食の観光」とは。
「苫小牧は良い飲食店が多いにもかかわらず、まだまだPRが弱い。観光の対象になり切れておらず、いろいろできる素地がある。例えば汐見町の『マルトマ食堂』は多くの観光客が目当てに訪れ、周囲の飲食店にも効果が波及している。中心部の繁華街にも一つ目玉ができれば、食を起点とした観光ができる。観光協会で市民から公募した地域のソウルフードを開発し、提供する『実験食堂』をつくる案もある。地域の独自メニューを作り、食の観光を盛り上げたい」
―個人として旭日双光章を受章した。
「商工会議所の副会頭として7年間活動したことや、『地産地食フェス』の立ち上げや運営に15年関わったことも評価されたと聞いている。地産地食フェスでのつながりが、現在の『食の観光』の推進にも生きている」
―今年は8月に錦町、大町で複合型イベント「よいよりどき」も初開催した。
「まちなかの路上にDJを呼んで、楽しむというイベントは全国的にも珍しい。参加してくれたDJの田中知之さん=音楽プロデューサー。東京五輪開幕式の音楽監督を務めた=も驚いていた。来年も開いてまちなかのイベントとして定着させたい」
―来年の目標は。
「観光協会は例年、緑ケ丘公園まつり(5月)、たるまえサンフェスティバル(9月)、とまこまいコスプレフェスタ(11月)に関わっているが、回を重ねるごとにマンネリ化しており、打破が課題だ。たるまえサンフェスは規模拡大の余地がある。バーベキュー頼りではなく、音楽イベントや前夜祭を行うなど、さまざまな意見が出ている。年明けから準備し、内容を充実させたい」
















