苫小牧署管内(東胆振1市4町)で2023年に交通事故で亡くなった人は27日現在2人で、道交法が施行された1960年以降で最少だった22年1年間と同数。一方、全道の死者数は前年同期比15人増の129人と急増しており、同署は年末年始も警戒を緩めず、車の速度違反などの取り締まりを強化している。
同署によると、今年の死亡事故は2件でいずれも苫小牧市で発生した。1件目は8月18日の正午前、錦岡の市道で中央分離帯に軽トラックが乗り上げ、街路樹と衝突。運転していた市内の80代男性が亡くなった。
もう1件は10月28日夜、丸山の国道で起きた乗用車同士の正面衝突事故。現場は片側1車線の見通しの良い緩やかなカーブで、夕張市の50代女性が運転していた乗用車が対向車線にはみ出したとみられる。女性は亡くなり、もう一方の乗用車に乗っていた6人のうち、4人が重軽傷を負った。
同署交通第1課の伊藤昌彦課長は「前方をしっかり見て運転していれば防げた事故」と強調する。
今年の管内の人身交通事故で、過失の重い「第一当事者」となった65歳以上の高齢者数は27日現在、前年同期比13人増の107人。伊藤課長は「運転に不安を感じるようになったら、運転免許証の自主返納を考えてほしい」と訴える。近年は家族からの相談にも積極的に応じ、今年の65歳以上の返納者は11月末時点で同35人増の453人を数える。
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同署管内では、人身交通事故の件数そのものが減少傾向にある。27日現在、前年同期比17件減の381件で、負傷者も同31人減の449人。いずれも過去10年で最も少なく自治体別に見ると苫小牧市332件(前年同期比34件減)、白老町32件(20件増)、安平町8件(1件減)、むかわ町6件(同)、厚真町3件(同)となっている。
同署は今年、過去の事故現場を分析。交通違反取り締まりの場所を精査し実施する時間帯、回数はそれぞれ約1・5倍に増やした。昨年は交差点での一時不停止に目を光らせたが今年は速度違反を重点的に取り締まり、伊藤課長は「事故減少に一定の効果があった」とみている。
新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが季節性インフルエンザと同じ5類に移行した今年は、町内会など地域での啓発活動が活発化。住民の安全意識向上に一役買った。23年度の市への交通安全教室の依頼件数は263件と、すでに22年度の年間256件を上回っている。
有珠の沢町内会は7月、町内の公園で自転車教室を4年ぶりに開催。小学生を中心に約50人が参加した。
教室では市交通安全指導員が4月から自転車利用者全員のヘルメット着用が努力義務化されたことや横断歩道の渡り方を伝えたほか、参加者の自転車のブレーキなどを点検。希望者には夜間点滅し、ドライバーの視認性を高めるライトを車体に取り付けた。
同町内会の内田仁生活安全部長(75)は「想定より多くの住民が参加してくれて関心の高さを感じた。今後もこうした催しを通じ、交通事故を1件でも減らしたい」と力を込めた。
















