第103回全国高校ラグビー大会は5日、大阪・花園ラグビー場で準決勝2試合が行われ、全国選抜大会優勝の桐蔭学園(神奈川)と連覇が懸かる東福岡(福岡)のAシード勢が7日の決勝に進んだ。
桐蔭学園は3大会ぶりの決勝進出で4度目、東福岡は2大会連続の決勝で8度目の優勝を狙う。
桐蔭学園は大阪桐蔭(大阪第2)を25―0で下した。10点リードで折り返し、後半に2トライを挙げるなどして突き放した。
東福岡は佐賀工(佐賀)を50―28で破った。前半に4トライを挙げて15点のリードを奪い、後半も点差を広げた。
前半、東福岡は風上にもかかわらず、キックの飛距離で相手に上回られていた。それでも、慌てない。昨年5、6月にも佐賀工と対戦し、相手ハーフ団が高校屈指のロングキックを武器としていることを分かっていたからだ。
SO井上は「(以前は)こっちも同様に蹴り返して自陣から出られなくなったので、戦い方を変えた」。この日は自陣からでも、積極的にランで仕掛けた。
まずは前半3分にCTB村上が50メートル近くを独走する先制トライ。同12分、26分もバックスのスピードを生かし、自陣からの1次攻撃でトライを取り切った。優勝した前回大会の主力は全員卒業した中、井上は「(自分たちの方が)スピードは上回っている」と胸を張る。
地域の取り合いとなっても、キックの精度である程度、対抗できたのも大きい。自陣から蹴って敵陣ゴール前でバウンドさせる好タッチキックを2度も見せた井上は「(今大会の)3回戦でも、練習試合でもやっている」と、事もなげに言う。
決勝で激突する桐蔭学園には、昨年3月の全国選抜大会で敗れている。「いいチャレンジをしたい」と藤田監督。昨春からの成長を示せれば、連覇に近づくだろう。
盤石の強さを披露し、決勝に進んだ桐蔭学園。藤原監督は「Aシード校の責任を果たせた」と納得の表情を浮かべた。
重い流れを個の力で突き破った。後半11分、左サイドでパスを受けたWTB古賀が相手守備の裏に蹴って追い掛け、インゴールに転がったボールを押さえてトライ。「自分の方が足が速い自信があった。みんながつないでくれた球を決め切ると決めていた」。多くの時間を敵陣で過ごした前半は、細かいミスに足をすくわれ1トライ。後半の序盤は自陣深くまで攻め込まれたものの、この一つのプレーで勝利をぐっと引き寄せた。
守っては、ほとんど大きな突破を許さずに無失点。ナンバー8の城主将は「2人目、3人目が(接点に)うまく入れた。決めごとを遂行できた」。屈強な相手FW陣に「走り勝って、当たり勝つ」というプラン通りに、正面から食い止めた。
個の力と組織力、どちらも際立つ圧倒的な勝ち上がりで、3大会ぶりの頂点を目指す。城主将は「決めたことを最後までやり切って、後悔なく戦う」と意気込みを示した。




















