第29回全国都道府県対抗男子駅伝競走は21日、広島市の平和記念公園前を発着点とする7区間48キロのコースで行われ、長野が2時間17分0秒の大会新記録で3連覇(2021年、22年大会は中止)を果たした。昨年マークしたタイムを10秒更新し、最多としている優勝回数を10に伸ばした。
長野は序盤から上位につけ、4位でたすきを受けた4区の永原颯磨(佐久長聖高)がトップに浮上。5区の山口竣平(同)がリードを広げ、最終7区の鈴木芽吹(駒大)が区間新の快走で逃げ切った。
埼玉が2分11秒差の2位、千葉が過去最高に並ぶ3位に入った。以下京都、兵庫と続いた。北海道は19位。中学生区間の6区(3キロ)を走った吉田星(上野幌中)が区間賞に輝いた。
盤石と言えるレース運びで、長野が3大会連続で栄冠に輝いた。昨年打ち立てた大会記録を塗り替えての完勝。高見沢監督が「想定通りの展開だった」と振り返る言葉には、余裕もにじんだ。
選手たちがそれぞれの仕事を全うした。3区まで上位につけ、4区の永原でトップに立つのはもくろみ通りだった。佐久長聖高の主将でもある永原は「役割を果たせた」と安堵(あんど)の表情。5区は同じ高校の山口がリードを広げ、2位に55秒差をつけて6区につないだ。
最後を飾ったのは駒大のエース鈴木。監督が「安全運転でもよかった」と言うほど既に大きな差が開いていたが、鈴木は「しっかり締めようと」。区間記録を更新する快走でゴールテープを切った。
監督は「中学生の時から、『長野は常に優勝を目指すチームだ』という指導を受けている。大学生、社会人になってもその意識を持ち続けて、(チームに)帰ってきてくれている」と誇る。「恩返しの気持ちで走った」とは、佐久長聖高出身の鈴木。受け継がれる伝統を原動力に、全国最多の優勝回数がついに2桁に乗った。

















