青森県八戸市を舞台に20~23日に開かれた第73回全国高校アイスホッケー競技選手権大会は、全国から25チームが出場し、白熱したトーナメント戦を繰り広げた。決勝では、駒大苫小牧が6―5で武修館との激戦を制し、大会3連覇を達成、34度目の日本一に輝いた。北海道栄、苫小牧中央、苫小牧東も大舞台で躍動した。それぞれの戦いを振り返る。
(スポーツ部・石川優介)
連覇が懸かる駒大苫は2回戦の対日光明峰から始動した。優勢な時間帯が続くも第1ピリオドは1―2。追う展開にはなったが、着実に1点ずつ返し6―2で快勝した。東胆振対決となった道栄との準々決勝は、接戦の末に4―3で勝利。続く準決勝は清水に6―1で圧倒、決勝に進んだ。
相手は3大会連続となる武修館。試合開始の笛が鳴ると同時に猛攻を浴びた。開始47秒で失点し劣勢の展開を強いられたが、要所で得点を挙げて食らいつく。大きく試合が動いた第2ピリオド、3点の追加点を許し武修館ベンチが一気に沸いた。2点を離されて迎えた第3ピリオドにFW陣が奮起、粘り強さを見せた駒大苫が同点に追いついた。
会場が固唾をのんで見守る中、緊迫した延長戦でも決着は付かず。最後はゲームウイニングショット(GWS)を制して連覇達成。試合後、「劣勢が続いた中でよく粘った」と鈴木総監督。桶谷監督は「シーズン初めは決して強くなかったが、選手が大きな成長を見せてくれた」と話した。
道栄は準々決勝の対駒大苫で集大成のプレーを見せた。守りを徹底する流れから、じっとチャンスを伺い互角に渡り合う。2点を追って試合時間残り2分半の土壇場で数的有利なパワープレーに。チームをけん引してきた3年生セットが執念の1点を返し王者を1点差に追い詰めたが、あと一歩届かず。小林監督は「今季一番の試合を見せてくれた。最後まで諦めないで戦い抜いたことは大きな収穫」とコメント、選手たちの活躍をたたえた。
苫中央は、21年に休部から活動を開始して3年目でつかんだインターハイの舞台で奮闘。腰越監督が「試合の中で修正する力を付けてきた」と語るように、試合を消化するごとに成長を見せた。準々決勝の対白樺は0―5と及ばなかったものの、「初の舞台と経験値の差が大きかったが、来季につながる貴重な収穫を得た」と話した。
苫東は4年ぶりのインターハイも、初戦の東北に1―4で敗れ涙をのんだ。試合は第1ピリオド開始直後に失点。チャンスは幾度もつくったが1点を返すにとどまり、田中監督は「当たり前のことを100%でこなせなかった」と振り返った。遠のいていたインターハイの舞台だが、今季の3年生が導いた大きな経験が来季出場の先駆けとなるか。
トップクラスが集い熱戦を展開した今大会。各試合でさまざまなドラマが生まれ、観戦者を魅了した選手たち。来季も白熱した戦いと感動に期待したい。




















