少年男子1500メートル 日高町出身・日下賢将が優勝

少年男子1500メートル決勝、最後の直線で宮坂(右)と競り合う日下(左)=30日、ハイランドスポーツセンター

 開会中の第78回国民スポーツ大会冬季大会スケート競技会・アイスホッケー競技会は30日、苫小牧市内でフィギュア、スピードスケートがそれぞれ競技3日目を迎えた。スピードスケートの少年男子1500メートルで日高町出身の日下賢将(帯広三条高2年)が優勝した。大会は後半に入り、アイスホッケー競技の成年の部が開幕。1回戦各試合が行われた。

スピードスケート競技は30日、ハイランドスポーツセンターで決勝4種目を含む11種目が行われた。
 このうち、少年男子1500メートルでは日高町出身の日下賢将(帯広三条高2年)が優勝。成年女子1500メートルでは、駒大苫小牧高出の森野こころ(日本体育大2年)が3位に入った。成年男子5000メートルでは苫小牧東高出の新山強(徳島)が予選を通過した。
 リレー種目では、日下が出場した少年男子2000メートルリレーで北海道が決勝に進出。一方、駒大苫出の清水彩花(高崎健康福祉大4年)と森野が出場予定だった成年女子2000メートルリレーは棄権となった。
 【少年】
 ▽男子1500メートル (1)日下賢将(北海道)1分55秒59(2)宮坂(同)(3)齊藤(秋田)
 ▽女子1500メートル (1)河原莉緒(北海道)2分6秒56(2)大窪(山形)(3)平林(長野)
 【成年】
 ▽男子1500メートル (1)伊藤誠悟(長野)1分50秒49(2)許(兵庫)(3)森野(山形)
 ▽女子1500メートル (1)小坂凜(山形)2分3秒71(2)川村(愛媛)(3)森野こころ(北海道)

―日下、慣れ親しんだリンクで栄冠
 ライバル宮坂大地(北海道、白樺学園2年)との一騎打ちを制してインターハイのリベンジを果たした日下が、栄冠をつかんだ。
 レース前から宮坂との1、2フィニッシュを想定していたという。しかしスタート直後、日下の近くの選手が転倒し、後方からのレース運びに。スピードを上げて2周目で先頭に立つと、その後は2~3番手を走る宮坂を追走。ラスト1周の鐘がなった瞬間、2人が飛び出し、最後の直線でライバルを振り切って優勝を決めた。
 レース後「1、2フィニッシュできてほっとしている。最後の直線は向かい風が厳しく体力も残っていなかった。気持ちで滑った」と振り返った。直接対決で宮坂に勝ったのは初めて。「今まであと少しのところで負けていた。競り勝つことができて自信になった」と手応えをつかんだ。
 国スポでは小、中学校時代に所属した鵡川スピードスケート少年団の指導者らの応援もあったという。「地元リンクで優勝し、家族や知り合いに恩返しできた」。満面の笑みを見せた。

―森野、想定外の展開もすぐに対応
 想定外の展開にも落ち着いた滑りを見せた森野が3位入賞を確保した。
 「(最初は)2~3番手について残り1~1周半で先頭に出る」というレース運びのつもりが、スタート直後、先頭を滑る選手がおらず、内側を走っていた森野が思わぬ形で先頭に。「もう行くしかないと思った」。ペースを落とさず、他の選手を疲れさせるプランに変更。中盤まで前方で積極的なレースを展開し、決められた回、ラインまで先頭に立たなければならない責任先頭制のポイントもクリア。終盤、後続につかまってゴール時点では6位だったが、森野より先にフィニッシュした3選手が責任先頭を完了しておらず、表彰台を死守できた。
 「予想外のレースだったが何とか対応できた。前の選手がポイントを取っておらず、『抜かなくていい』と冷静に滑ることができた」と沈着に分析していた。「シーズンを通して調子の波があるので、自分の滑りを見つけて安定させたい」と今後の飛躍を語った。

―世界女王、貫禄の演技
 フィギュア競技は30日、ネピアアイスアリーナで成年男子のフリースケーティング(FS)、女子のショートプログラム(SP)が行われた。男子は合計252.63で昨季世界選手権6位の友野一希(大阪、上野芝ク)が優勝。女子SPは世界選手権2連覇中の坂本花織(兵庫、シスメックス)が79.66で首位となり、貫禄の演技で観客を沸かせた。
 苫小牧市役所の坪井聖弥はジャンプなどのミスが目立ち、合計143.67で19位だった。
 【成年】
 ▽男子FS (1)友野一希(大阪)184.14(2)壷井(愛知)(3)吉岡(兵庫)(19)坪井聖弥(北海道)93.41▽男子順位(1)友野一希(大阪)252.63(2)吉岡(兵庫)(3)織田(大阪)(19)坪井聖弥(北海道)143.67
 ▽女子SP (1)坂本花織(兵庫)79.66(2)松生(愛知)(3)住吉(東京)

―坪井、地元盛り上げる
 滑走終了後、公務員スケーターとして地元開催の競技を終えた坪井は「ミスが重なってしまったが、今できる限りの力を出し切ることができた」と緊張から解放され、安堵(あんど)の表情を見せた。
 FSは、大人の男性の魅力を表現するため目線や指先の動きを意識して演技。中盤からはジャンプなどのミスが目立ち、「体力が続かなかった」と課題がにじんだ。それでも終盤のステップやスピンで演技を整え、積み上げてきた実力を発揮。成年男子の齊藤有沙監督は「最後まで諦めず、ジャンプやスピンでまとめていた。地元を盛り上げる演技ができていた」と評価した。
 坪井は「スケートを続け、社会人でも良い演技ができることを全国に伝えたい」とした上で「苫小牧のフィギュア競技人口が増えるよう、『スケートのまち』を盛り上げていく」と力強く語った。
 一方、市の広報課職員の立場として「市民や競技者に苫小牧の魅力が伝わったと思う」と笑顔を見せた。

―アイスホッケー競技開幕
 アイスホッケー競技は30日、ダイナックス沼ノ端アイスアリーナなどで成年の部が始まった。2月3日までの日程で、26チームがトーナメント戦を展開する。初日は1回戦10試合が行われた。
 31日は2回戦8試合が行われ、シードの成年北海道は今夕、福岡と対戦する。同日は少年の部も開幕し、同じくシードの北海道は2月1日の準々決勝から登場する。
 【成年】
 ▽1回戦 福岡3―2福島、富山3―1熊本、青森4―0兵庫、岡山14―1佐賀、大阪14―1山口、茨城2―1和歌山、栃木7―2新潟、愛知11―2沖縄、香川6―0宮城、神奈川5―2岩手

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