苫小牧市真砂町の出光興産北海道製油所(山岸孝司所長)は、操業機能を集中管理するプロジェクションセンター(PC)で、施設のエネルギー消費量を実質ゼロにする「ZEB」化を進める。5日から約2年かけて照明や空調などを省エネ仕様に更新し、一般家庭約3300世帯分の削減効果を創出。新たにカーポート型太陽光発電設備も導入し、電力マネジメントのノウハウ蓄積に役立てる。
PCは鉄筋コンクリート造り2階建て、延べ床面積約3400平方メートルで、原油の受け入れから製品の出荷までを司る施設。定期補修期間を除いて24時間体制で稼働し、機器類や配管などの温度や圧力を集中管理し、データのサーバーなどで多大なエネルギーを使う。1994年から稼働する同製油所の顔ともいえる施設で、同社の製油所では唯一のZEB化となる。
工事を5日に始め、2025年12月までに照明、空調、換気、給湯を省エネ機器に改める。総事業費は非公表。蛍光灯約850本をほぼLED(発光ダイオード)に変えるほか、空調はヒートポンプを使って高効率化するなど、年間4763ギガジュールの省エネを実現。一般家庭の年間電力使用量に換算すると、約3300世帯分に相当するという。
PCのエネルギー消費量はこれまで同7308ギガジュールだが、65%を削減できる計算になる。さらに製油所向かいにある所員駐車場に、ソーラーカーポートを導入。車両144台分を想定しており、駐車場約2000平方メートルの屋根となる太陽光パネル約1000枚を新設。新たに設置する野立てのパネル約700枚分と合わせ、電力同2955ギガジュールを創出することで、エネルギー消費量を差し引き実質ゼロとする。
3月までに建築物の省エネ性能を第三者評価機関が評価し、認定する制度の一つBELS申請も予定している。同製油所が二酸化炭素(CO2)を排出しないグリーン水素や、水素とCO2による合成燃料の製造を目指す中、同製油所は「ZEB化で再生可能エネルギーのマネジメントに関するノウハウを蓄積していく。2050年カーボンニュートラル(温室効果ガスの排出ゼロ)実現にも貢献できる」と強調している。
出光興産(東京)は、中期経営計画(23~25年度)で、次世代エネルギーの社会実装に向けて、製油所のCNX(カーボンニュートラルトランスフォーメーション)センター化構想を掲げており、同製油所でもグリーン水素や合成燃料の製造実証を計画している。
















