自己消費目的の密漁目立つ 23年海上犯罪、23件増の36件 苫小牧海保

ホッキ取りをしていて沖に流された男性の捜索活動。男性は見つかったが、死亡が確認された=昨年8月、苫小牧市勇払

 苫小牧海上保安署は2023年の管内(苫小牧市、厚真町、むかわ町)での海上犯罪、海難事故発生状況をまとめた。海上犯罪の送致件数は前年比23件増の36件で、2年ぶりに増加。自己消費目的の密漁が目立った。人身事故は同6人増の13人、船舶事故は同1隻減の6隻だった。

 海上犯罪は違法漁具を用いた採捕や漁業権侵害など漁業関係法令違反が21件と最多。密漁はホッキや秋サケなどの他、ナマコ、アワビといった高級食材も目立った。

 8月には苫小牧港・西港で早朝、ゴムボート上から潜水し、大量のウニを採捕した市内の30代の男2人が現行犯逮捕された。同署によると、密漁は個人消費を目的としたケースが大半で、2人も「自分で食べたり、人に渡したりするために取った」と話したという。

 漁業法上、密漁の罰則は最大3年以下の懲役または3000万円以下の罰金。密漁の大半が自己消費目的とみられるが、同署の髙﨑繁映次長は「悪質な犯罪」と指摘する。

 この他、船舶からの油排出や遊漁中の魚の残さ不法投棄など「環境関係法令違反」で8件送致した。

 一方、船舶事故は衝突5隻、乗揚げ1隻。船種別では貨物船2隻、プレジャーボート、タンカー、港湾業務艇、フェリーが各1隻だった。事故原因としては「強風の影響」が最も多かった。

 人身事故の内訳は自殺が6人、海中転落と帰還不能が各2人、病気、溺水、その他がそれぞれ1人。

 死者は8人で、うち自殺が5人。この他、勇払マリーナ付近の海岸でホッキ取りをしていた60代男性が波にさらわれたり、認知症の高齢女性が海中転落したりして亡くなった。

 サーフィン中の男性2人が沖に流された帰還不能事故は、日本水難救済会厚真救難所のボランティア救助員などの活躍で事なきを得た。

 髙﨑次長は沖合に向かう強い流れ「離岸流」の発生や急な深みなどに触れ、「管理運営された海水浴場以外での遊泳のリスクを訴えるなど、注意喚起を徹底したい」と強調。海の事件、事故の緊急通報ダイヤル「118番」の9割以上が間違い電話であることを踏まえ、適正利用を呼び掛ける啓発活動にも力を入れていく。

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