子どもの幸せ

子どもの幸せ

 「大人は子どもを幸せにする権利がある」。子どもの権利条約にはこんな意味が込められている。だが、現実には子どもに寄り添うはずの大人が子どもを虐待し、その子の命まで奪い、生き方を変えてしまう。そんな例が後を絶たない。

 苫小牧市にある室蘭児童相談所(児相)苫小牧分室がまとめた2022年度に対応した児童虐待件数は364件。うち、小学生は35%、3歳未満も14%だ。こうした子どもたちが、児相に保護された後に過ごす一時保護施設。道内の施設に勤務する関係者と話す機会があった。

 この施設に入所してくる子どもの中には暴力を振るったり、同じ年代の子どもとの関係をうまく築けないケースもあるという。小学低学年であっても同様だ。その矛先が職員に向けられると、関わる大人も疲弊してしまう。入所期限のある施設だが、退所と入所を繰り返し、落ち着き先が来まらないのも珍しくない。

 「人から褒められた経験もなく、親の愛情を受けずに育ったことが要因なのか」。すべてではないが、そう感じることも否めない。一時施設退所後の受け皿も社会に整っているとは言えない。虐待などで心が傷ついたまま成長していく子ども。その傷が癒えて楽しさや幸せを実感できる日が来るのか。重い課題だ。(昭)

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