勇払原野などでチュウヒ保護プロジェクト 日本野鳥の会

勇払原野などでチュウヒ保護プロジェクト 日本野鳥の会
日本野鳥の会が保護プロジェクトを進めるチュウヒ(岡田宇司さん撮影、提供)

 日本野鳥の会(東京)は、猛禽(もうきん)類の中で最も絶滅の危険性が高い「チュウヒ」の保護プロジェクトに乗り出す。2024~28年度の5カ年の計画で、苫小牧市内の勇払原野などで繁殖期の実態調査を行うとともに繁殖地の公的な保護も行政に働き掛け、チュウヒと原野の双方の保全を目指す。

 チュウヒはタカ科で、春から夏にかけて主に北海道や本州以南の一部の湿地や草原で繁殖し、11~3月の越冬期は本州以南で過ごす留鳥。営巣地の開発や湿地の乾燥化、植生の変化を背景に個体数が減少し、環境省の「絶滅危惧IB類」に指定されている。

 同プロジェクトは、同会の創立90周年記念事業の一環。過去の調査でつがいが多く確認された道北のサロベツ原野や勇払原野を拠点に進める。

 主な事業として、繁殖期の調査は各繁殖地の産卵やふ化の状況を調べたり、行動圏を追跡調査したりと年度で変化を付けながら継続実施する。市民向け啓発展示や観察会、勉強会も計画し、市内はウトナイ湖サンクチュアリネイチャーセンター(植苗)と連携する。さらに、勇払原野・弁天沼周辺のラムサール条約登録を視野に世論形成を図るほか、サロベツ原野では野鳥保護区設置に向け関係者との調整も進める予定だ。

 同会はチュウヒの調査活動はほとんどしておらず、20年に国内に135程度の繁殖つがい数が推定されると把握した程度。サロベツ原野の57つがいが最多で、勇払原野20つがいが2番目の多さだった。同会の担当者は「調査活動から繁殖に適した環境の条件が分かれば、保護活動にも役立てたい」と話し、「チュウヒを知っている人は少ないと思う。啓発活動に力を入れ、繁殖地の湿地や原野に残る自然の豊かさを伝えたい」と意気込む。

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