中高生時代にバスケットボールやバレーボールをすると骨が強くなり、高齢になってからの骨粗しょう症と骨折の予防につながる可能性がある―。そんな研究結果を、順天堂大(東京都文京区)のチームがまとめた。
骨粗しょう症学会などが策定した、予防と治療の指針によると、骨粗しょう症は骨がもろくなり骨折リスクが高まる疾患。患者数は推定約1300万人、70歳以上の女性では4割に見られると報告されている。骨折は要介護状態に至る大きな要因でもある。
骨粗しょう症の予防には、中高生期に骨量を高めておくことが重要とされる。骨量はこの時期に急速に増えて20代でピークに達し、50歳ごろまで保たれた後、加齢に伴い減少するためだ。
研究チームによると、ジャンプなど骨に刺激を与える運動が若年期の骨量を高めることは報告されている。ただし、その影響が高齢期にも続くかはよく分かっていなかった。
そこで研究チームは、東京都文京区内に住む65~84歳の男女1596人を対象に、骨密度を測定するとともに、中高生期に運動部活動に参加していたかを調査。体重など他の要素が影響しないよう統計上の処理を行った上で、高齢期の骨密度と運動種目との関係を調べた。
その結果、中高生期にバスケットボールをしていた男女は、高齢期の大腿骨頸部(だいたいこつけいぶ=大腿骨の細い部分)の骨密度が高いことが判明。バレーボールをしていた女性は、背骨の腰の部分である腰椎の骨密度が高いことも分かった。他の運動種目では、骨密度との関係は確認できなかった。
若い頃にできる骨粗しょう症予防策として、他にカルシウムなどの栄養素の摂取や、痩せ過ぎを避けることが知られている。研究チームの田村好史・順天堂大先任准教授は「若いときにしっかり食べ、体を動かす意識を持つことが大事です」と呼び掛けている。














