道内12小選挙区 6党派から36人出馬予定 解散・総選挙にらみ 各党が準備作業加速

 次期衆院選の前哨戦となった4月28日の三つの衆院補欠選挙を終え、解散・総選挙の時期に焦点が移っている。自民党が派閥の裏金事件の逆風を受けてトリプル補選で不戦敗を含め全敗したことで、道内の与党側は解散は遠のいたとの見方が広がるものの、野党側は6月下旬の今国会会期末での解散を強く警戒する。道内12小選挙区では12日現在、苫小牧民報の調べで6党派から計36人が出馬予定。9月の自民党総裁選後の解散も視野に入れ、各党とも「常在戦場」の姿勢で、選挙準備を加速させている。

 ■与野党伯仲の歴史

 小選挙区比例代表並立制が導入されて初の選挙となった1996年10月以来、前回(2021年10月)まで計9回、総選挙が行われている。「旧民主党王国」とされた本道では、与野党伯仲の激戦を繰り広げてきた歴史がある。03年と05年、09年は旧民主が自民の議席を上回り、逆に直近4回(12、14、17、21年)は自民が立憲民主(旧民主含む)の議席を上回っている。

 小選挙区選挙は、風に大きく左右されるのが特徴。「政権交代」の風が吹いた09年は旧民主が11勝し、自民(1勝)に圧勝した。逆に自民が「政権奪還」を果たした12年は、自民が11勝、公明1勝と与党勢力が完勝。政党幹部からは「小選挙区選挙はまるでオセロゲームのようで怖い」と率直な感想が漏れる。前回(21年)は自民6勝、立憲民主5勝、公明1勝と与野党が拮抗(きっこう)している。

 ■候補擁立大詰め

 次期衆院選へ向け、各党とも道内12小選挙区に擁立する候補予定者をほぼ固めている。

 自民は現職8人、新人3人の計11人を擁立する方針。ただ、裏金問題が発覚した道9区の現職については、地元の一部から「戦えない」との意見も出ており、19日に9区支部が緊急役員会を開いて意見集約を図る。道連では前回(6議席)以上の議席獲得を目指している。

 立憲民主は全12小選挙区に候補を擁立。現職8人、前職1人、新人3人が出馬する予定だ。前回(5議席)から上積みし、道内での与野党逆転を狙う。

 公明は現職1人を擁立。自公協力の「象徴区」である道10区の議席死守とともに、比例道ブロック(8議席)の現職の議席を守ることに全力を傾ける。

 維新は新人3人を札幌圏の道1~3区に擁立する。比例票を掘り起こし、比例道ブロックで初の議席獲得を目指す。

 共産もこれまでに新人7人を擁立。各選挙区で共産票を掘り起こし、比例での議席奪還を狙っている。

 この他、参政党の新人1人、無所属の新人1人も出馬を表明している。

 ■野党競合区

 4月の衆院3補選は、自民が派閥の裏金事件の不信感を払拭(ふっしょく)できずに全敗。立憲が裏金批判の民意を追い風に、全勝した。次期衆院選も「政治とカネ」の問題が大きな争点になることは確実な情勢。

 その立憲の最大の課題は、与野党一騎打ちの構図をつくるための他の野党との候補者調整だ。

 道内12小選挙区でも、道1~3区は既に立憲、維新、共産の候補が競合。道6、8、9、11区では立憲、共産の候補が競合している。

 共産は今後、全12小選挙区で候補を擁立するのを基本に据えており、さらに立憲と競合する。ただ、共産は「市民と野党の共闘」も重視する方針で、候補者調整に柔軟な姿勢を打ち出す。毎回、国政選挙で「接着剤」的役割を担う市民団体「戦争させない市民の風・北海道」を仲介に、立憲、共産の候補者調整が一気に加速する可能性もある。解散・総選挙の時期を見据えながら、水面下で各党の動きが活発化しそうだ。

(編集委員・札幌支社長、広江渡)

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