王子総合病院(苫小牧市若草町)の看護師木村幸恵さん(59)が同院初の「がん看護専門看護師」として活動している。木村さんは「患者さんの苦痛やつらさを和らげる援助をしたい」と一念発起し、4年かけて仕事と両立しながら大学院に通い、昨年12月に認定審査に合格した。より質の高いがん看護を提供しつつ、後進への教育などに力を入れ、「これからも患者さんに寄り添った看護を続けたい」と意気込んでいる。
専門看護師は、日本看護協会が認定する資格。優れた技術や豊富な知識に基づき、水準の高い看護を実践できる看護師を、「がん看護」など計14分野で定めている。取得する条件は5年以上の実践経験と、看護系大学院の修士課程修了で、さらに認定審査に合格する必要がある。
同院は質の高いがん医療を提供する「がん診療連携拠点病院」で、木村さん自身も外科、消化器内科など配属先でほぼがん患者と向き合ってきた。2015年には緩和ケア認定看護師にも合格したが、「看護は常に自分自身の人間性が問われている。より学びを深める必要がある」と考え、がん看護専門の道を選んだ。
19年に北海道医療大学大学院(石狩管内当別町)に社会人入学。日中は仕事をこなし、夜に受講し、実習に入る際は長期休暇を活用した。「修士は本来2年だけど4年かかった」と苦笑いしつつ、「講義に間に合うよう、仕事のシフトも少し早く終わるよう、変えていただいた」と職場の理解や協力に感謝する。
そんな木村さんの原点は、がんと生きている人と日々関わる中で「患者さんに対してもっとできることはないだろうか」という思い。父も血液腫瘍で亡くしており、「『もっと、こうすれば良かった』という思いは今もある。そればかりではないけど、患者さんに寄り添うことの大切さを、根拠的な知識として得て看護したい」と強調する。
専門看護師としての役割は▽実践▽相談▽調整▽倫理調整▽教育▽研究―の六つで、「組織の質の向上や地域でのがん看護について考えるため、私自身ものの見方が広がった。看護研究でもアドバイスする機会が多くなった」と話す。がん患者への対応についても「先人の理論がすごく役立っている。患者さんはどんな状況にあっても、人として成長している存在と信じて、自分も関わらせていただいている」と明かす。資格取得のハードルは高く、道内でも同看護師は100人未満だが「意義あることで、後に続いてほしい」と期待している。
















