千歳市の工業団地「千歳美々ワールド」に次世代半導体工場を建設中のラピダス(東京)と道内水産関係団体、道、千歳市の情報交換会が5月31日、札幌市内で開かれた。ラピダスが工場排水の安全性などを漁業関係者に初めて説明。出席した水産団体から「もっと早く説明してほしかった」「取水、排水両面で水産業にどういう影響があるのか、しっかり調査してほしい」などの要望が多数上がった。
半導体工場では大量の工業用水を使うほか、毒性が懸念される化学品も利用するため、北海道漁業協同組合連合会(道漁連)などが今年2月、道に対して、環境に配慮した排水処理や影響調査などを求める要望書を提出している。
4者による情報交換会は道が主導して初めて企画。冒頭あいさつ以外は非公開で開催した。終了後、道の青山大介次世代半導体戦略室長が記者団の取材に応じた。
青山室長は「ラピダスの工場排水に関して必要な情報を水産関係団体と共有するため開催した」と趣旨を説明。道からは、ラピダスが2027年の本格稼働時に使用する水を供給する、苫小牧地区工業用水道(工水)の配水施設建設工事の概要や、半導体製造で使われる有機フッ素化合物(PFAS=ピーファス)を取り巻く情勢も報告した。千歳市は半導体工場からの排水処理の方法や工事概要、ラピダスは工場内での排水施設について説明したという。
道によると、出席した水産団体からはさまざまな要望、意見が相次いだ。「説明が本日に至ったというのは遅かったのではないか」との苦言も出たほか、「計画を変更することはできないのか」「実際に水産業に被害が生じた場合、具体的な対応をどう考えているのか」との声も上がった。
青山室長は「今日が始まりで、最後ではない。引き続き丁寧に情報交換を重ねていきたい」とし、「個別(漁協などの単位)の対応、説明も行っていく」と強調。水産団体から要望が出た排水影響調査については「調査の必要性を受け止めている。今後、誰がどのように行うのか、協議する」と述べ、関係機関と実施へ向け検討する姿勢を示した。
また、ラピダスは「現在建設中の稼働時の排水処理を含め、ラピダスの周辺環境に配慮した取り組みなどを説明した。今後も法令に基づく国や道の基準、ガイドラインに沿って漁業者の皆さんに安心していただけるように、しっかり対応していきたい」とのコメントを出した。
















