苫小牧市植苗のウトナイ湖野生鳥獣保護センターによると、同センターが2023年度に保護した傷病鳥獣数は84個体で、鳥類が9割を超えた。珍しくエゾモモンガ3匹が保護され、旭山動物園(旭川市)とおびひろ動物園(帯広市)に引き取られたという。
同センターが受け入れるのは原則、建物との衝突など人為的要因が絡み、苫小牧市内でけがをした野生鳥獣。23年度は43種類84個体を保護し、シジュウカラ、スズメ、ヒヨドリなど鳥類が81羽(96・4%)を占めた。32羽は助からなかったが、治療などを経て45羽を野生に戻した。
原因別では、車や建物の窓ガラスなどにぶつかる「衝突」が51個体で全体の6割。この他、工場や個人宅の倉庫などでネズミ捕り用の粘着板に引っ掛かった事例が8個体と目立った。同センターの山田智子獣医師は「羽にのりなどが付いた鳥は時間がたつほど衰弱するので、早めの対応が肝心」と指摘する。
地面に落ちたひな鳥は8羽。うまく飛べないだけで、親鳥が近くで見守っている可能性があるため、基本的には保護しないように呼び掛けており、近年は1桁台にとどまっている。
エゾモモンガは生後10カ月ほどの3匹を4月に保護した。伐採した大木の巣穴に赤ちゃんを見つけたと連絡を受け、現場でしばらく経過観察したが、親が現れなかったという。道内動物園の助言を仰ぎ職員が飼育する一方、野生には戻せないと判断。旭山、おびひろ両動物園が受け入れを快諾し、8月に引き取られた。山田獣医師は「動物園と連携する新しい道筋もできた」と喜ぶ。
同センターは今年度から、野生に戻せずセンター内で終生飼養する動物を来館者に見せるミニ講座を開始。山田獣医師が飼養動物を連れて市内小学校を訪れる出前授業は09~23年度で延べ513回、受講者は延べ1万5870人に上った。24年度も継続する。山田獣医師は「関心を持つ人を増やし、事故に巻き込まれる動物を減らしたい」と話している。



















