第106回全国高校野球選手権大会南・北海道大会室蘭支部予選第5日は26日午前、曇天のとましんスタジアム=苫小牧市=で続開し、Bブロック2回戦で苫小牧工業が16―1の五回コールドで苫小牧南を下した。第4日の25日はAブロックの2回戦で駒大苫小牧、苫小牧中央がそれぞれ勝ち、代表決定戦へ進んだ。
駒大苫小牧は5―0で北海道栄を零封した。単打を積み重ねて先行し、辻、寺田、大原の継投で北海道栄の反撃を阻んだ。
苫小牧中央は8―1で北海道室蘭大谷に快勝。好機に加点して藤原、渡邊大、中川の継投で打線を散発3安打に抑えた。
(25日)
▽Aブロック2回戦
駒大苫小牧
100020011―5
000000000―0
北海道栄
(駒)辻、寺田、大原―北野
(北)下山、所、三橋、小原、平野―高村
駒大苫が好機に加点した。1点先行の五回に2死で藤田の適時打と敵失で2点。八回も2死で小林が適時打。九回は1死一、三塁で坂巻がスクイズを決めた。
道栄は走者得点圏を駒大苫の辻に3度かわされ、九回は2死満塁としたが大原に阻まれ、反撃できなかった。
苫小牧中央
100200302―8
000000001―1
北海道大谷室蘭
(苫)藤原、渡邊大、中川―日向
(北)松本、角田、馬場、秋山―白井
🉁渡邊光(中)
🉂日向(中)岩井(北)
苫中央が押し切った。一回は日向が先制犠飛。四回は風晴、藤原の連打で2点。七回は石黒と日向の適時打で決定的な3点を加えた。九回もボーク、小倉の適時打で2点。
道大谷室は苫中央の藤原、渡邊大を攻略できず、打線は3安打。九回に岩井が右へ適時二塁打して1点を返した。
-駒大苫・辻 背番号1の自負
抽選の結果、私立強豪が集まって激戦区のAブロックでシードの駒大苫が初戦をそつなく突破した。
佐々木監督は道栄打線を抑えた投手陣を「粘り強く投げてくれた」とたたえ、「層の厚さは感じている」と手応えも挙げた。今春から背番号1を着け、重要なチームの初陣で先発した辻について「一生懸命に頑張っている」と評した。
力強いサイドスローの投球フォーム。5回切れのある球を投げ続けて無失点で主導の流れをつくった辻は「自分の役割はスコアボードにゼロを並べること」ときっぱり。「うちにはいい投手がいる。その中でエースナンバーを背負わせてもらっているので」と責任感をにじませた。
札幌平岸中出身で、中3時にエース指名を受けた際、「北海道で日本一を目指すなら『ここだけ』と思って進学を決めた」と言い切る。2004年の夏、深紅の大優勝旗を本道へ持ち帰った母校の歴史。誇りを胸に、この夏に続く戦いを乗り切っていく覚悟だ。
道栄・糸瀬監督 投手たちはそう打たれたわけでもなかったが、ストライクが入らなかったり、守備のミスがあったりして失点に結び付いた。失敗を教訓にして、きょう出ていた2、1年生で秋からのチームをまたつくり上げていく。
-4番らしさ発揮 苫中央・日向
苫中央は主戦の藤原らが好投する間、打線も要所で加点して先行差を広げた。渡邊監督は「4番打者が4番らしい打撃を見せた」と守っては捕手で右打者の日向を褒めた。
一回の先制犠飛に始まり、2打席目の四回は左越えに二塁打し、2点目以降のきっかけをつくった。走者二、三塁の七回は右方向へ2点適時打と自在。「初戦はノーヒットだったけど、みんなから次は打てると言われて、それが生かせた」と日向。道大谷室先発の松本の配球もよく見極めていて「最初はカーブで来たけれど、2巡目の時には直球が主体」。それを仲間と共有し、中盤で攻略の糸口にした。
渡邊監督が「緻密な性格で野球研究に熱心」と言う苫中央ナインの司令塔。啓北中出身で次に対決する駒大苫レギュラー陣には中学時代までの球友もいる。「ここまで来たらやるしかない。みんなで頑張る」とライバル打倒へ意気込みを語った。



















