第106回全国高校野球選手権大会南・北海道大会室蘭支部予選第6日は青空が広がった27日午前、とましんスタジアム=苫小牧市=で続開し、Cブロック2回戦で苫小牧東と浦河が九回7―7の同点で延長十回タイブレークに進んだ。第5日の26日、Bブロック2回戦ではそれぞれ勝利の苫小牧工業と室蘭栄が代表決定戦での対決を決めた。
苫小牧工業は苫小牧南を16―1で突き放した。守備の乱れに乗じて先行しながら三回には大上が3点本塁打するなど猛攻した。
室蘭栄は伊達開来を8―0で下した。二回に打者9人で5点を奪い、今谷、佐渡の継投で七回零封した。
(26日)
▽Bブロック2回戦
苫小牧工業
33433―16
10000―1
苫小牧南
(五回コールド)
(工)大島、三木田―渡邊、名和
(南)上原、野澤、上原、干上―小田島
🉀大上(工)
🉁大上(工)
🉂泉田、桑村、富沢(工)小田島(南)
苫工が圧勝。一、二回は適時打と苫南の守備の乱れに乗じて差を広げ、三回は大上の3点本塁打、佐藤の犠飛で4点を加えた。
苫南は一回2死で干上、小田島の長短連打で1点を返したが、二回以降は苫工・大島、三木田の継投に抑えられた。
伊達開来
0000000―0
151010X―8
室蘭栄
(七回コールド)
(伊)成田、奥村―田仲
(室)今谷、佐渡―住吉
🉁今谷(室)
🉂今谷(室)
室栄が好機に加点した。1点先行の二回2死から死球に長短適時打を絡めて5点を挙げ、三回はスクイズ、五回も連打で1点を奪った。
伊開来は一回2死の右前打で2走が本塁憤死。室栄・今谷、佐渡の継投にかわされた。
―苫工、勢い加速の3点本塁打
苫工が一回からの毎回得点で差を広げた。平山監督の試合前の指示は「先攻になったからには先制点を間違いなく奪え」の1点だった。先頭の泉田の四球を足場に攻撃の火の手が上がり、敵失や大上の三塁打、さらに四球の押し出しなどもあって指示通り3点を奪い取った。「流れが来た」―。平山監督は思ったそうだ。
二回も死四球や敵失が絡み追加点。三回は2連打のお膳立てに続き、3番に座る大上が3点本塁打を放った。攻めの勢いを加速させた中堅手の左打者は真ん中低めの直球にバットの芯を合わせ、今大会では初の柵越えで、声と太鼓で後押ししてくれた全校応援の生徒が多数陣取る右翼の芝席に打ち込んだ。公式戦での本塁打は2本目で、「自分は中距離バッター。狙い球をしっかり絞ることで打てました」と素直に語った。
バットが反発力を下げて新基準化された今年度をにらみ、チームは昨秋以降、木製バットで練習を積み重ねてきた。誤ってマイバット1本をへし折ったと言う大上は「(新金属バットは)芯以外で打つと手が痛い。木製でそうならないように練習した」と振り返る。次は好投手の今谷を擁する室栄と代表を競う。「簡単に打てる投手じゃないけれど、狙う球を決めて力まずに打ってみたい」と闘志をみなぎらせた。
―室栄・今谷、テンポよく無失点投球
室栄が伊開来を8点差零封で押し切った。無失策の守備も光る好チームが1965年以来59年ぶりになる南・大会進出を目指している。西崎監督は「点を取りにいった場面で取れた」としながらも、「ライン際に転がせないバントの精度が低い。少しずつうまくいけば展開が違ってくる」と気を引き締める。
エースの今谷はこの日6回投げて無失点。西崎監督は「力を入れずに次の代表決定戦を見据えて投げていた。それができる投手」と信頼感を語った。
被安打5、三振2、四死球1で相手打線をかわした本人は「次の試合につながるようにテンポよくストライク先行でいけた」と笑顔を見せた。大勝負に向け、「みんなでこれまで努力してきたことを発揮できればと思っています」と語った。



















