20年ぶりにデザインを一新した1万円札、5千円札、千円札が7月3日に発行される。苫小牧市内の金融機関をはじめ、券売機や精算機を置いている飲食店などで、新紙幣対応の準備を着々と進めている。一方、設備投資には費用や時間がかかるため、いまだ検討中という事業者も多く、市内で対応が分かれそうだ。
苫小牧信用金庫は昨年7月から準備し、ATM80台、オートキャッシャー53台、オープン出納機4台、両替機3台、紙幣整理機22台、紙幣計算機35台の機器で対応を終えた。導入費用は約2億5800万円。
ATMは改修、入れ替えが半々など、機器によって対応が異なり、職員に機器の操作を説明した。20年前の前回改刷時も大きなトラブルはなかったというが、「不測の事態に備え万全の体制で臨めるよう体制を整えている」としている。
市内でラーメン店3店を運営する「味の大王」(総本店・植苗)は昨年10月、全店の券売機を新紙幣対応に入れ替えた。利用客の半分以上が現金を使うため、新紙幣の対応は必須だったといい、中江友紀常務は「券売機の会社から『遅くなると混み合う』と聞き、機械ごと新調した」と早めに対応した。
ただ、購入費用は1台当たり150万円、3店で450万円かかるため、リースにして投資費用を抑えた。同店は店頭でギョーザなどを販売する自動販売機を置いているが、新紙幣の流通量などを見極めながら、機械の入れ替えを検討するという。
道の駅ウトナイ湖(植苗)は昨年3月、リニューアルオープンしたが、アンテナショップミールは対面レジのまま。陶祥教駅長は「購入者が現金を投入する自動レジの導入も検討したが、新紙幣発行を見据えて通常レジにした」と振り返る。
館内の飲食販売店「プレジール」と「おにぎりにぎらない」は券売機を設置しているが、いずれも新紙幣発行が明らかになってから機械を導入したため、プログラム変更で対応が可能という。
一方、同館の自販機を設置している北海道コカ・コーラリテール&ベンディング(札幌市)は「(各地の自販機を)7月3日に合わせて順次対応している」と話しつつ、「どの自販機がいつ対応するかなどは分からない」としている。
市内路線バスを運行する道南バス(室蘭市)も運賃箱は未対応。長谷川義郎社長は「(運賃箱は)メーカーの供給が追い付いておらず、いろんな商品も出ている」と前置きした上、「総合的に検証しながら、どういう方向か、最終的に決めたい」と説明する。
ただ、市内路線バスは運賃改定の効果もあって増収傾向だが、同社は赤字決算で設備投資も莫大とあって、「皆さんの負担になることもできない」と頭を悩ませているのが現状で、「(運転手に)当面は現金を持たせて対応したい」と話している。
















