顧客などが企業の従業員に理不尽な要求や悪質なクレームを突き付ける「カスタマーハラスメント」(カスハラ)が社会問題化する中、帝国データバンク札幌支店は、道内企業の意識調査結果を発表した。直近1年以内で自社もしくは自社の従業員のカスハラ被害について、18.4%の企業が「ある」と回答。業界別では「小売」と「金融」が突出して高くなっている。
カスハラ被害が「ある」と回答した企業の規模別では、大企業が24.7%で、中小企業が17.3%、小規模企業が15.7%だった。
業界別では、「小売」が44.4%でトップ。「金融」(42.9%)も4割を超えた。以下、「不動産」28.6%、「運輸・倉庫」22.7%、「サービス」21.1%だった。
企業からは「事業主側の説明を聞かず、帰宅を促しても居座ったため警察に通報した」(自動車・同部品小売)、「理不尽な言いがかりによる利用代金の全額返還要求、威圧的態度、暴言、責任者に対し謝罪要求」(旅館・ホテル)などの事例が寄せられた。
カスハラや不当な要求などへの対応策や取り組み(複数回答)については、電話に録音機能を付けるなど「顧客対応の記録」が21.7%で最多。これに「カスハラを容認しない企業方針の策定」(12.9%)、「カスハラ発生時のサポート体制の構築」(11.5%)が続いた。
総じて何らかの「取り組みあり」とする企業は52.5%で、「特に取り組んでいない」(45.7%)企業を6.8ポイント上回った。
企業からは具体的な対策として、「言いがかり的な苦情の申し出が過去にあり、警察・弁護士事務所と連携する体制は取っている」(建設)などの声が上がっている。
カスハラを巡っては、厚生労働省では有識者検討会を通じて、企業に従業員保護を義務付ける法整備を進める方針を示している。道議会でもカスハラ防止条例を年内に制定するため、全会派で作業を進めている。
調査は6月17~30日に、道内企業1133社を対象に実施。488社から回答を得た。回答率43.1%。
















