石破茂首相が9日午後に衆院を解散し、15日公示、27日投開票の日程で行われる予定の総選挙で、道内小選挙区は野党共闘とならずに分裂選挙となる流れが一段と加速している。共産党道委員会が解散前日の8日、9人目の小選挙区候補予定者を発表。これで全12小選挙区に擁立済みの立憲民主党道連の候補と4分の3に当たる9選挙区で競合する構図だ。派閥の裏金事件で自民党に強い逆風が吹く中、道内では「裏金批判票」は各野党に分散する格好。共倒れを懸念して市民団体「戦争させない市民の風・北海道」が立憲、共産、社民の3党に野党連携の努力を求めているが、1日の首相就任日から戦後最短の解散・総選挙となり、公示まで1週間を切り、時間切れとなる公算が大きくなっている。
共産道委の金倉昌俊書記長は札幌市内で行った9人目擁立の記者会見で、「市民の風」が仲介した立憲道連との候補一本化の協議は継続しているとしながらも「立憲・野田佳彦新代表の下での安保法制問題の棚上げ、共産とは政権を一緒にやりません、維新とは連携を模索していくという流れは、これまでの信頼を裏切る行為で、市民と野党の共闘の原点を損なうものだ」と疑問視。野党競合による共倒れについては「共倒れの心配よりも、自民党政治を代えることが最大の課題であり、目標だ」と強調した。
3年前の前回(2021年)の共産は、立憲との野党共闘で小選挙区の候補者を3人(道5、7、12区)に抑えた。今回は8日時点でその3倍の9人(道1~6区、8、9、11区)に上る。「時間的にはかなり厳しい」(金倉書記長)が、残る道7、10、12区の3選挙区についても擁立姿勢は崩していない。
共産が一転して小選挙区の候補擁立を活発化している背景は、比例道ブロック(定数8)に比例単独で出馬する畠山和也元衆院議員の議席奪還を最大の目標に掲げていることがある。前回は自民(約86万票)が4議席、立憲(約68万票)が3議席、公明(約29万票)が1議席を獲得。共産は約20万7000票を得票したものの、議席は獲得できなかった。
議席獲得のボーダーラインは25万票前後と想定。今回は前回見送った大票田・札幌全域に小選挙区候補を擁立。比例票を掘り起こし、前回から大幅上積みを目指している。
道内12小選挙区では8日時点で、立憲と共産が6選挙区で競合しているほか、道1~3区は立憲、共産に加え維新の野党候補も競合する構図だ。
党首が交代した「野田・立憲」は今回の総選挙で、自公の過半数割れに照準を定める。道内の立憲も国民民主党道連、連合北海道、北海道農民政治力会議の4軸で構成する「民主連絡調整会議」での連携をより深め、超短期決戦に臨む方針を掲げる。コアな立憲支持層のほか、裏金問題で自民から離れる穏健な保守・中道票、そして無党派層の取り込みに注力する戦略だ。
















