北海道大学病院の奥健志医師(49)が苫小牧市勇払など東胆振と日高管内の3地区を対象に、医療機関を受診する際の通院環境に関する調査を進めている。公共交通などの利便性が低い地域を対象に実態を調べ、大学病院から医師を派遣する地域の検討などに活用する考えだ。
調査対象は市内勇払と新ひだか町、浦河町の3地区。それぞれの地域の住民に通院時間や交通手段、通院用無料バス運行を導入した場合の個人負担金への考え方などを調べる。
このほど勇払福祉会館で開いた調査説明会には住民約20人が参加し、調査に協力した。アンケートの設問は▽通院地域や頻度▽通院手段▽片道の通院時間▽往復の交通費―などについて。さらに地域住民が費用を一部負担して、無料通院バスの運行や医療機関を整備する手法などについて賛否を尋ねた。
市内中心部の医療機関にマイカーで通院している黒木久男さん(85)は、「運転できなくなったらバスが欠かせない。仮に無料バスが運行しない場合、少ない年金から月々の負担金を出すのは大変」とし、市内沼ノ端の医療機関に通う北澤文代さん(77)は「今の路線バスは1時間に1本。便数を増やしてくれると通院しやすくなる」と率直な思いを話した。
奥医師は、専門医療や救急医療に対応する市立病院や王子総合病院がある苫小牧市までの移動を考慮した場合、新ひだか町からは約60キロ、さらに浦河町からは約125キロと長距離に及ぶことを指摘。「苫小牧市内に住んでいる人は交通アクセスが比較的恵まれている」と話す。ただ、高齢化などが進んでいる現状を踏まえ、今後の移動手段の一つとして通院用コミュニティーバスの導入を提案している。
調査は10月に浦河町と新ひだか町でも実施予定。年内に集計・分析し、調査に協力した自治体にも結果を報告する予定。苫小牧市健康こども部健康支援課は「バス路線整備などのまちづくり政策に生かしたい」としている。
















