岸壁拡幅で作業効率化 貨物量増に成果 苫港・西港区 RORO船の大型化に対応

 北海道開発局は、RORO船(フェリー型貨物船)が接岸する苫小牧港・西港区商港地区の岸壁改良工事を2011年度から段階的に進めている。荷役作業の効率化を図るため、岸壁スペースを4倍に拡幅。一部を供用開始した13年度から同船による年間貨物量は5年連続で増加し、一定の成果が出ている。工事は総延長1・1キロの範囲で計画しており、すべて完了する20年度末以降はさらに取り扱い量が増える見通しだ。

 苫小牧港と本州を結ぶRORO船の定期便は週45便。このうち31便が西港区商港地区に集中しており、本道から紙製品や自動車部品、農産物を本州に輸送。本道には紙や完成自動車が運び込まれている。

 10年度までは岸壁に大型荷役倉庫が建ち並び、車両の積み卸しなど荷役作業が制限される課題があった。岸壁も老朽化していたことから苫小牧港管理組合などが国に要望。倉庫を解体し、11年度から岸壁を拡張する改良工事が始まった。

 工事は総延長1・1キロの岸壁が対象。このうち17年度までに660メートル区間の工事を終えた西埠頭(ふとう)は、RORO船の停泊岸壁(バース)が1カ所減の3カ所となったが、1バース当たりの延長は165メートルから220メートルに延伸。大型船に対応する仕様になり、岸壁の荷役スペースも幅15メートルから4倍の61メートルに拡幅した。荷役車両の移動がスムーズになるなど作業時間の短縮にもつながっている。

 東埠頭の220メートル岸壁も今年度から供用を開始した。南埠頭でも延長220メートルの岸壁工事が20年度に完了する計画という。

 これらの改良工事により、物流効率が大幅に向上。道開発局によると、商港地区のRORO船年間貨物量は12年726万トンだったが、岸壁が一部供用開始された13年は883万トンに増加。17年は13年比で65%増の1108万トンとなり、5年連続で増加している。

 貨物量増加の要因について、苫小牧港湾事務所の担当者は「大型RORO船の就航で1隻当たりの輸送量が増加した。荷役作業スペースの拡張で作業時間が短縮された効果で、より多くのRORO船を受け入れられるようになった」と分析する。

 汐見地区では今年度から、RORO船の燃料補給や悪天候時の入出港を支援するポートサービス船の係留施設を拡張する工事も始まった。22年度の完成予定で、これにより東港区の係留施設を利用するケースが減り、西港区までの移動時間や燃料費のコスト減が期待される。

 苫小牧港の内貿貨物量は現在、全国1位。市内の港湾関係者は「苫小牧港の物流がさらに強化されれば北海道経済を大きく後押しすることになる」と期待を寄せる。

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