カジノを含む統合型リゾート施設(IR)の本道誘致の是非を検討する道は9日、道民向けの地域説明会を札幌市内で開いた。道内5カ所で開く説明会の皮切りで、約110人が出席。市民から巨大施設の稼働率への疑問やIR事業者が撤退した場合のリスク対策、反社会的勢力対策など幅広い質問が出た。終了後は出席者全員に、IRに関するアンケート調査も実施した。
鈴木直道知事は先の定例道議会で「誘致に挑戦するか、挑戦しないか。年内に判断する」と表明。道ではIRについての理解を深めてもらった上で、道民の意向を把握する作業を開始している。地域説明会はその一環で、札幌をスタートに、16日に函館、23日には優先候補地・苫小牧と旭川、25日に釧路と道内5市で開催する。
かでる2・7(札幌市中央区)で開いた初回は、槇信彦観光局長が「誘致の是非は知事が年内に『道民目線』で判断する。日本型IRをしっかり理解していただいた上で、意見を伺いたい」とあいさつ。道が作成した冊子「もっと知りたい!統合型リゾート」を基に、IRを誘致した場合のメリットや課題を分かりやすく説明。槇観光局長は優先候補地の苫小牧市植苗地区について「ラムサール条約の登録湿地・ウトナイ湖の上流に位置し、生態系や水質などに影響が出ないようにするのが重要になる」と述べた。
出席した市民からは「お客さんが増えなかった場合、事業者は撤退できるのか。契約内容は」との質問も。槇観光局長は「道とIR事業者が協定を結ぶ。その中で事業承継を約束させ、できなければ違約金を取ることなどを担保することが考えられる」との姿勢を示した。
また、市民から「札幌にもコンベンションセンターがある」とIRで開設される巨大なホテルやMICE(マイス、国際会議場など)施設の稼働率を懸念する指摘も出た。槇観光局長は「大きな要素だ。道が実施方針、区域整備計画を作る場合、採算性や収支についてIR事業者にしっかりヒアリングをして確認したい」と述べた。
この他、反社会的勢力対策の質問に対して、槇観光局長は「マイナンバーカードを利用した本人確認を行う。IR事業者が警察の協力で情報を得て、排除できる」と語った。
全国で3カ所認定されるIRの今後のスケジュールについては「まだ申請期間が決まっていない。基本方針の決定時に申請期限も決まる。そう遠くない時期に全体のスケジュールが見えてくる」との見通しを示した。

















