欧州と東アジアを最短ルートで結ぶ新たな海上物流ルート「北極海航路」を利用した貨物船が9日、苫小牧港・東港国際コンテナターミナル中央埠頭(ふとう)に入港した。2017年から始まり4隻目。今回は同航路によるコンテナ貨物の試験輸入が国内で初めて行われ、苫小牧港利用促進協議会(会長・岩倉博文苫小牧市長)の関係者が歓迎訪船した。岩倉会長は「ビジネスチャンスが広がる大きな第一歩」と期待を寄せた。
入港したのは、中国海運大手コスコシッピンググループの貨物船「テンエン」(総トン数3万6000トン)。中国向けのウッドパルプと、船舶代理店の苫小牧埠頭(本社苫小牧市)が仲介した日本向け40フィートコンテナ20本分の住宅用製材を積み込み、9月13日にフィンランドのヘルシンキ港を出港。26日間かけて苫小牧港に入港した。
船内の歓迎セレモニーには関係者約40人が参加。岩倉会長は「北極海航路の利活用を提言してきた中、今回のコンテナ貨物の輸送は苫小牧港にとって大変喜ばしい」とあいさつ。朱大云(ズゥ・ダユン)船長は「欧州と東アジアを結ぶ新しい航路を開拓し、これからも寄港するチャンスを増やしたい」と語った。
船はコンテナ貨物を降ろした後、同日午後5時に中国へ向けて出港した。
北極海航路は、地球温暖化の影響で北極エリアの海氷面積が減少する7~10月に航行できる。欧州と東アジアを結ぶ航路はスエズ運河経由の南回りルートが主流で、航行距離は2万1000キロに及ぶが、北極海航路は4割減の1万3000キロ。日数は約40日かかるところ、25日程度で輸送が可能となり、燃料消費量や排出ガス削減のメリットもある。
荷主の西條産業(本社小樽市)の西條公敏常務は「輸送日数が大幅に短くなるため、海外企業との貿易取引における為替リスクを軽減できる」と利点を挙げる。
岩倉会長は「まだ試験段階だが、日本経済に寄与できる大きな夢のあるチャレンジになる」と述べ、受け入れ拡大に向けた港湾整備の必要性を強調した。
















