大正期の支笏湖 写真見つかる 樽前山も 元北大助教授の小久保さん撮影10点 埼玉の郷土史研究家発見

 大正期の元北海道大学助教授、故・小久保清治さんが撮影した支笏湖や樽前山の写真10点が見つかった。約100年前の湖や山などの自然、人々の様子が当時の写真機の記録媒体だったガラス乾板にモノクロで鮮明に捉えられている。小久保さんは撮影を好み、調査研究で支笏湖を訪れた際にもカメラ携えていたとみられる。

 写真は埼玉県日高市の郷土史研究家、入江武男さん(72)が発見した。プランクトン研究の権威だった小久保さんは1889年に同県高麗川村(現日高市)に生まれ、1908~11年に後の北大となる東北帝国大農科大(札幌市)で学び、卒業後は24年まで助教授として勤務した。東北大名誉教授も務めた。享年81。

 入江さんは小久保さんの生家や自宅を訪ねる中で、残されていた写真をデジタルカメラで1枚ずつ撮影。その中に「姫鱒孵化(ひめますふか)場」の看板を掛けた建物の写真があるのに気付いた。

 後の調べで支笏湖の初代ヒメマスふ化場の建物と分かり、支笏湖漁業協同組合に複写した写真を郵送。道内で撮ったと推測される他の約200枚についても場所や年月日などの情報が乏しいため、このほど同漁協を訪れて、国立公園支笏湖運営協議会や支笏湖ビジターセンターの職員らを含む5人に見定めてもらっていた。

 年月こそ特定できなかったものの、10点ほどは風景や建物の様子から撮影地が支笏湖周辺であることが分かった。丸駒温泉旅館の露天風呂や樽前山の溶岩ドーム、砂利のままだった昔の湖岸などを確認できた。いずれも当時は高価だったガラス乾板に被写体を映した形式で保存。入江さんは「鮮明なまま残っていた」と驚く。

 鑑定に加わった千歳市支笏湖自治振興会の佐藤進会長も「人の顔まではっきり分かり驚いた。今もある旧山線(王子軽便鉄道)の橋も写っており、かつての支笏湖を想像し、改めて歴史を感じた」と話す。

 先人研究のための来道で思わぬ成果を得た入江さんは「一部が支笏湖の写真と分かってよかった」と喜ぶ。100年以上前の貴重な画像を残した小久保さんの功績をたたえ、「1枚現像するのも大変な時代にカメラを持ち歩いていた。相当な興味があったのだろう」と推察する。

大正期に撮影されたとみられる支笏湖や樽前山の写真。中央は初代ヒメマスふ化場

元北大助教授の故・小久保さん

地元関係者と約100年前の写真について語る入江さん(右)=支笏湖漁業協同組合

関連記事

最新記事

ランキング

一覧を見る

紙面ビューワー

紙面ビューワー画面

レッドイーグルス

一覧を見る